ゲストハウススタッフから運営統括へ。現場で積んだ経験をもとに、今は3軒の施設を任され、新人オーナーに無料で教える側になった。就活を辞めて「やりたい仕事」を選んだ2015年、そこから何が起きたのか。
01. プロローグ + 私はゲストハウススタッフです
文 숙소발전소(宿泊施設発電所)運営統括 CHLOE (https://brunch.co.kr/@merrychloemas)


숙소발전소 運営統括 CHLOE
はじめまして。ゲストハウスの運営代行と教育を専門とする「숙소발전소」の共同代表、そして運営統括を務めるCHLOE(クロエ)と申します。
最初はゲストハウススタッフとして宿泊業界に足を踏み入れ、その後フランチャイズゲストハウスの統括マネージャー、そして宿泊統合予約管理サービスONDAの営業とパートナーサポート業務を通じて視野を広げてきました。今はまた、ゲストハウスの運営に集中し、その世界の中で懸命に働いている宿泊施設の運営者でもあります。施設でさまざまな役割を担ってきた経験、多様なコンセプトの施設を運営してきた経験をベースに積み上げた運営ノウハウを、より多くの方に広くシェアしたいと思っています。
# プロローグ
2019年1月、現在の私は自分が組んだチームと共にゲストハウス3軒を運営中で、月に一度、ゲストハウス開業予定者や開業したばかりの新人オーナーに無料でゲストハウス運営ノウハウを教えています。
こうして「ゲストハウス」をキーワードに多くの人と会って話していると、必ず聞かれる質問の一つが**「どうやってゲストハウスの仕事を始めたんですか?」**です。すでに何十回も答えた話ですが、もっと多くの人に手軽に届けたくて、文章にしてみることにしました。数ヶ月前から「ゲストハウスの理想と現実」というテーマで書き始めましたが、テーマ自体がやや重く感じられ、何度も書いては保存を繰り返しても、なかなか公開に踏み切れませんでした。
もう少し軽い気持ちで書けば、もっと多くのことを語れるような気がしました。そこで時間の流れに沿って自分の経験を綴れば、より面白い話になると思い、**「ゲストハウススタッフからオーナーまで」**という分かりやすいテーマで改めて書き始めました。文字通り、私がどうやってゲストハウススタッフからオーナーになり、今まさにオーナーになりつつある過程を記録していく予定です。
今、私はソウルでゲストハウスを運営していますが、ゲストハウスの名義は私ではありません。会社のオーナーがプロ経営者を雇って会社を運営するのと似た形態です。だから、職業を聞かれたら「ゲストハウスのプロ経営(運営)人」と答えられるでしょう。ゲストハウスに関心があって施設を開いたものの、いざ運営の知識やノウハウがなくて困っている方が、私のクライアントです。開業資金を用意して、退職後の第二のキャリアや副業としてゲストハウスを立ち上げようとする人も多いですが、私のようにゲストハウススタッフから「ゲストハウスオーナー」を夢見る人も多いことを知っているので、前者にも後者にも、この文章が役立つことを願ってこのテーマを選びました。
#1. 私はゲストハウススタッフです。
最初の記事は、ゲストハウスの仕事を始めたきっかけを記します。なぜ私がゲストハウススタッフになったのか、そしてどうやってゲストハウスに馴染んでいったのかをお話しします。
時は2015年。第3の疾風怒濤の時期(いわゆる就活生時代)が訪れた私は、深い悩みに陥りました。それなりに有名な4年制大学を卒業し、悪くない成績、かなり良い英語スコアなど、周囲が羨むほどのスペックをそれなりに備えていたにもかかわらず、「文系ですみません」という理由で就職が容易ではなかったからです。ですが、そうした客観的な条件よりも、私の「心構え」がより大きな問題でした。幼い頃から好きなことと嫌いなことがはっきりしていて、やりたくないことは死んでもやらないという性格だったのです。
やりたい仕事でもないのに志望動機で「以前から志望していた会社」という嘘をつこうとするうちに、おそらく自己PRも面接もめちゃくちゃだったのでしょう。それでも感謝なことに最終合格した場所や、最終面接まで進んだ場所もありました。しかし、周囲の期待を言い訳に無理に耐え続けるのはもうダメだと思う瞬間が訪れました。私はその瞬間、やっていたすべてのこと(就活をしながら契約職で勤めていた会社、資格試験の勉強、自己PR作成など)を中断し、方向転換しました。
最初からやりたかったことをやろうと心に決め、そうして私が思い描いていた、やりたい仕事の範疇に入っていたのが、まさに「ゲストハウス」でした。小さい頃から「他人を喜ばせる仕事」に関心があり、それをもう少し具体化したのが「観光産業」でした。もちろん最初から「他人を喜ばせる仕事=観光産業」ではありませんでしたが、大学で観光経営学を副専攻として学び、観光産業を直接・間接的に経験するうちに、この確信が強まりました。ただ、観光産業は範囲が非常に広いため、その中で具体的な分野を選ぶのは決して簡単ではありませんでした。

ゲストハウス? 私に合いそう!
そんな漠然とした中、**「ゲストハウス」**というキーワードが目に入った瞬間、なぜか膝を「パン」と叩いて「あ、これだ!」と思いました。今になって思うのは、何でもやってみてから冷静に判断すべきだったということですが(なぜ他のことではそうしなかったのかと考える時は、ゲストハウスが私の運命だったと思うことにしています)、とにかく私は結果的にその時ゲストハウスを選び、今までずっとその分野を続けてきたので、悪くない決断だったと思います。
どんな自信だったのか、ゲストハウスの仕事なら自分がうまくやれそうな気がしました。ホテルよりもずっと親しみやすく、旅行者のそばで彼らが快適に休めるよう気を配り、話を聞き、楽しい旅行として記憶できるようサポートする仕事が、なかなか魅力的に感じられました。当時ゲストハウススタッフに応募するとき、「やりたい仕事である」こと以外は何も考えませんでした。働く地域、給与、福利厚生など条件は考えず、まずその仕事が自分に合うかを確認することが最も重要でした。
この部分で疑問を持つ方が多いでしょうが、当時短いながらも少し勤めた会社で失敗を経験して思ったことは、一つが満足できても、残りがめちゃくちゃになることもあるということでした。つまり、どんなに良い給与と福利厚生を保証されても、一緒に働く同僚が合わなくて会社生活が辛くなることもあるということです。
だから、仕事を選ぶ時に自分なりの優先順位をつけてみたところ、最初の条件が「自分が好きな仕事」でした。ゲストハウスなら、これまでのどんな仕事よりも堂々と自信を持って「私はこういう仕事をする人です」と言えそうでした。もし自分が期待していた仕事でなかったとしても、今回だけは最後までやってみたいという強い確信が湧きました。
今振り返ると、ゲストハウスは自分がもっと能動的に働ける場所だという思いが、他の場所よりずっと魅力的に感じられた理由のようです。また、以前の会社での失敗経験があったからこそ、できるだけ期待値を下げて何でも前向きに受け止める準備をしていたことが、ゲストハウスへの適応に役立ったのではないかと思います。だからもし、ゲストハウスで働けば「旅行している気分」を味わえるのではと期待している人がいたら、少しも期待しないでほしいと伝えたいです。
幻想ではなく生存、ヨーロッパのゲストハウスへ
私はゲストハウスでの勤務を確定させ、2015年9月末、ヨーロッパ行きの飛行機に乗りました。
私がゲストハウススタッフとして勤務することになった場所は、ほかでもないヨーロッパ、それも当時まだあまり知られていなかったクロアチアの首都「ザグレブ」でした。韓国でスタッフ面接を受ける時から**「ゲストハウスの仕事を真剣に考えていて、できるだけ長く働きたい」**とアピールしました。特に簡単には戻れないヨーロッパなら、なおさら必死になって生き残ろうと決意しました。こうして他の人たちが憧れを抱いて訪れるヨーロッパを、私はゲストハウススタッフという機会を得たおかげで「生活」を考えながら行くことができました。
ザグレブに到着後、ヨーロッパの美しい風景を背にして、私はそこで「生き残る算段」ばかり考え続けました。噂によると、私のようにゲストハウススタッフから始めて複数の拠点を回りながら管理する「マネージャー」になった人もいるとのこと。だから私もその誰かのように、スタッフを経て「マネージャー」になるという目標を持つようになりました。そして、ちょうど「ザグレブ」で最初に出会った私のトレーナーが、その噂の「マネージャー」でした。
会いたかった人に直接会って引き継ぎまで受けられるなんて本当にラッキーでしたが、問題は引き継ぎ期間が長くなかったことです。日数は3日でしたが、実際にはほぼ2日ですべてを学び、身につけなければなりませんでした。
さらに衝撃的だったのは、私一人で一つの施設のすべてを管理しなければならないという事実でした。7つの客室、合計27名を収容できる小規模なゲストハウスでしたが、私が初めて任されたゲストハウスだったため、プレッシャーが大きいのは当然でした。ヨーロッパの韓国人向けゲストハウスという理由で、朝には韓国料理の朝食を提供しなければならず、接客はもちろん、清掃、洗濯、そして予約管理まで、本当に24時間でも足りない仕事をすべて一人でこなし続けなければなりませんでした。時差ぼけが治る前でしたが、引き継ぎ時間は限られていたため、慣れるために必死で学び、仕事を繰り返しました。
当時最も難しかったのは「朝食の提供」でした。自分一人が食べる程度の少量、それも簡単なチャーハンのような料理しか作れなかった私が、突然10人、20人以上のゲストのために料理しなければならなくなったのです。最初は包丁もまともに握れず、指に絆創膏を貼らない日がないほどで、ただめちゃくちゃな料理を美味しく食べてくれるゲストの方々に感謝するばかりでした。
ゲストハウスの一日は本当にあっという間に過ぎていきました。新しいお客様が来るやいなや誰かが去り、また別のお客様が押し寄せ、さまざまな要望を聞いて理解し、解決するために時間を費やしました。だから本当に朝目覚めてから眠りにつくまで、一度も家の外に出たことがない時も多かったです。ほとんどの場合、日が暮れてから翌日の朝の準備のために買い物に出かけるのが精一杯という、そんな日々の連続でした。
また、料理が下手だったので、深夜3時まで朝食の準備をしてから眠り、再び朝7時に起きて8時から提供される朝食のために急いで料理していました。そのため、当時のあだ名は「家の妖精」でした。家で一日中仕事ばかりしているということで。
ゲストハウスの楽しさ = 役割への理解
それでも幸せでした。もちろん働き始めて間もないからという理由もありましたが、仕事自体がとても楽しかったのです。どんな仕事でも自分の手を経ないものはなく、努力した分だけ結果がすぐ目に見えるので、やりがいも大きかったです。能動的に探してやらなければならない仕事が多いため、毎回新しいことを学び、習得しながら楽しさを感じました。ほとんどのゲストは、おかげで快適に休めたというレビューと共に、私が本当に楽しそうに仕事をしているという話も添えてくれました。楽しそうに働く私のおかげで、ゲストハウスの雰囲気がより居心地よく温かかったそうです。ゲストハウススタッフとして、これ以上の誇りと満足があるでしょうか? 最高の成果であり、褒め言葉でした。
不幸か幸いか分かりませんが、ゲストハウススタッフを始めるやいなや繁忙期を経験したおかげで、業務への適応は早かったです。まだ1ヶ月も経っていないのに多くの仕事が手に馴染み、それなりにノウハウも一つ二つと生まれ始めました。この時経験したすべての試行錯誤は、ほとんどのゲストハウススタッフが経験しそうなことだと思うので、ゲストハウスでの仕事を希望する人、あるいは働き始めたばかりの人のために、次回はより詳しい一日の流れと共にさまざまなエピソードを取り上げてみようと思います。
いずれにせよ、ゲストハウススタッフとしての最初の1ヶ月間に学んだことが、今まで私が直接運営するゲストハウスの従業員やスタッフを教育できる土台となりました。私がゲストハウススタッフだったからこそ、今の役割も果たせていると思います。

宿泊施設無料運営教育(2018年5月)
もちろん、ゲストハウスを運営するために全員がスタッフとして働いた経歴・経験が必要というわけではありませんが、ゲストハウスを開業・運営する予定なら、最低でも1週間、いや、たった1日でもスタッフの業務を経験してみることをお勧めします。ゲストハウスにおけるスタッフの役割を理解できてこそ、運営もよりスムーズになります。
今、私はゲストハウスのオーナー、運営者、統括マネージャー、Chloe(私の英語名。私たちはスタッフ同士、お互いを英語名で呼んでいます)など、スタッフではないさまざまな名前で呼ばれていますが、依然としてゲストハウスのスタッフでもあります。私は多くのスタッフを代表する人間だからです。

「宿泊施設運営マニュアル」すべての施設のマニュアルは自分で作ります。今もマニュアルは更新し続けています。
ゲストハウスのスタッフは全員、ゲストのために献身し、配慮し、理解するサービス精神が前提となりますが、このサービス精神は当然、リーダーであるゲストハウスのオーナー、オーナー、統括マネージャーのような人たちが率先垂範してこそ、全従業員が共にできるものです。多くの開業予定者、運営者、オーナーが見落としている部分の一つが、まさにこの点です。
スタッフがいなければオーナーがスタッフにならなければならない構造。これはゲストハウス運営に必須です。つまり、スタッフを雇ったとしても、すべての運営者とオーナーは必ずスタッフがすべき仕事をまずAからZ、最初から最後まですべて経験し、理解した上でマネジメントすることが正しいと思います。
また、ゲストハウススタッフを夢見る人たちなら、最低限ゲストハウスでどんな仕事をすることになるのかを正確に知ってから始めるべきです。ゲストハウスは他の仕事に比べて「面白そうに見える」だけで、実際に面白いとは言えません。ゲストハウスもまた、収益を上げなければならない事業拠点だからです。
現在もゲストハウススタッフであり、他のスタッフたちと共に働いている、現場で活動している人間として、この業界に関心のある皆さんにアドバイスを一つするなら、ゲストハウスは通常の期待よりも大変な仕事がずっと多いため、ゲストハウススタッフの仕事を楽しみとしてではなく、仕事あるいは経験、そしてさらには職場という考え方で臨むのが良いでしょう。
次回は、私がゲストハウススタッフからマネージャーに昇進(?)できた経緯、そしてゲストハウスでスタッフとマネージャーとして担った役割についてお話ししようと思います。
この世のすべてのゲストハウスを夢見る人たちに、お役に立てば幸いです。
[連載目次]
(ゲストハウスの人の話) 01. プロローグ + 私はゲストハウススタッフです。 02. ゲストハウススタッフの一日、密着取材25時間。 03. ゲストハウスにはなぜ「ゲスタッフ」が生まれたのか? 04. ゲストハウスに最も必要な一つのもの、人。
(ゲストハウスの運営の話) 05. ゲストハウスオーナーたちの悩み 06. 世の中には良いゲストハウスも多く、悪いゲストハウスも多い。 07. 運営がうまくいく宿泊施設には「それ」がある。 08. ゲストハウス・スタンダード
(ゲストハウスの開業の話) 09. ゲストハウスは宿泊業なのか、サービス業なのか、不動産業なのか。 10. ゲストハウス運営者のDNA 11. できる人はできる? うまくいく宿はうまくいく! 12. それでも私はゲストハウスを愛しています。
