TL;DR

ゲストハウススタッフは「受付の人」ではない。清掃、朝食準備、観光案内、深夜対応まで、24時間を25時間に変える仕事だ。志望者の8割が抱く期待と現実のギャップを、元統括マネージャーが明かす。

02. ゲストハウススタッフの1日、密着取材25時間

文 宿所発電所 運営統括 CHLOE (https://brunch.co.kr/@merrychloemas)

宿所発電所 運営統括 CHLOE

こんにちは。ゲストハウスの運営代行と教育を専門とする宿所発電所の共同代表であり、運営統括を務めるCHLOE(クロエ)と申します。

最初はゲストハウススタッフとして宿泊業界に足を踏み入れ、フランチャイズゲストハウスの統括マネージャーや宿泊施設統合予約管理サービスONDAの営業とパートナーサポート業務を通じて視野を広げました。そして今は再びゲストハウス運営に専念し、その世界で懸命に働く宿泊施設の運営者でもあります。宿泊施設で様々な役割を担ってきた経験と、多様なコンセプトの施設を運営してきた経験から培った運営ノウハウを、多くの方に広く共有したいと思っています。

「ゲストハウススタッフから社長まで」の第2回は、**「ゲストハウススタッフの役割」**についてお話しします。ゲストハウスで働きたい人に志望動機を尋ねると、10人中8〜9人は「人と会うのが好きで、お客様対応に自信がある」と答えます。しかし実際のゲストハウスの仕事は、その期待とは大きく異なります。どんな仕事でも実際に始めてみれば期待とは少しずつ違うものですが、ゲストハウスはそのギャップが特に大きいと言えます。なぜなら時間帯によってやるべきことが大きく変わるからです。もしゲストハウスで働いてみたい方がいれば、この記事を事前に読んでおきましょう。ゲストハウスの現実を把握したり、しっかりとした心の準備をするのに役立つはずです。

Photo by karolina gac on Unsplash

ゲストハウススタッフの1日、密着取材25時間。

ゲストハウススタッフの1日を一言で表すなら、あえて**「母親の1日」**に似ていると言いたいです。大韓民国の人なら誰もが理解できる「母親」という存在こそがゲストハウススタッフの役割であり、昼も夜も休む暇なくゲストハウスとゲストの世話をしなければならないからです。宿泊施設を訪れたお客様が不便なく過ごせるよう寝具を清潔に準備し、旅を元気にスタートできるよう朝食を用意し、道に迷わないよう観光地やグルメ店への行き方を教えるまで。ゲストハウススタッフは、ゲストが滞在する間、母親のように彼らを世話します。だからこそゲストハウスの1日は24時間ではなく25時間と言えるほど、非常に忙しく慌ただしく過ぎていきます。

私が最初に勤務したゲストハウスは、ヨーロッパにある韓国人旅行者向けの「韓国人ゲストハウス」「韓国人民宿」でした。海外にある宿泊施設を訪れる旅行者は、国内施設の訪問者より依存度が高い傾向があります。国内でいくら事前に情報を調べて来ても、現地の事情は現地の人が一番よく知っているからです。特に海外の韓国人ゲストハウスは、見慣れない環境を旅していても慣れ親しんだ韓国料理が食べられるだけでなく、韓国語で快適にコミュニケーションを取りながら情報を得られる利点があり、多くの人が訪れます。特にその施設が位置する場所が韓国にまだあまり知られていない国や都市であれば、なおさら韓国人ゲストハウスの役割が大きくなります。

このように旅行者が宿泊施設に期待を寄せる分、ゲストハウススタッフの役割も非常に重要でした。ゲストハウススタッフは単に宿泊場所を提供するだけでなく、旅のガイド役を果たさなければならなかったからです。私たちの施設の場合、言語とコミュニケーション不足で旅行で失敗するのを恐れる顧客に確実な近道と情報を提供し、夕方になるとすべての店が早く閉まる現地事情に合わせてゲストハウス内で夕方の時間帯に旅行者同士が交流できるプログラムを運営したりもしました。

また、韓国と正反対の時差にもかかわらず、韓国から予約の問い合わせをするゲストに対応しなければならず、本当に昼夜を問わない日々の連続でした。

ゲストとの夕食 @ヨーロッパ 韓国人ゲストハウス

ゲストハウススタッフからマネージャーに昇進した理由

当時働いていた場所は私自身も初めて経験する場所でしたが、ゲストハウススタッフになった以上、率先して旅行者を助ける役割を果たさなければならず、一日でも早くこの地域に適応した後、情報を収集することが急務でした。既存の勤務者から引き継ぎを受けながら様々な助けを得たものの、学んだことをきちんと消化するのは完全に私の役目でした。そこで最初は時間帯別の業務を整理してメモし、スケジュールに合わせて仕事を処理しました。しかし時間帯とは関係ない随時業務も続々と発生し混乱するしかなく、これを漏らさず処理するにはガイドが必要だと感じました。

この時期、私たちのゲストハウス内部でも**「施設運営マニュアル」**についての話が自然に出てきたのですが、このとき私が自ら進んでマニュアル制作を引き受けました。今はまだスタッフでも、将来は必ず自分だけのゲストハウスを開きたいという夢があり、この仕事を通じてゲストハウス運営全般の方法を事前に把握したかったからです。

私はマニュアルを作りながらゲストハウスの全拠点を訪問することができ、様々な形態の宿泊施設を直接経験し管理しながら、施設運営に必要なノウハウを蓄積していきました。ちょうど私が勤務していた拠点はゲストハウスの本店にあたる1号店で、新しいスタッフがどこで勤務を始める前にも必ず一度は通る場所でした。そのためマニュアルを完成させた後は、新スタッフが採用されるたびに教育を担当し、複数の拠点を統括するマネージャーの役割まで担うようになりました。

マニュアルを作りながら自然に考えた部分が業務分担ですが、ゲストハウスは規模が小さいため採用可能な人員規模に限界がありました。これは、ゲストハウススタッフ一人が複数の仕事を担当せざるを得ない構造だということです。ただしホテルのように明確に部署を分けることはできなくても、最小限の業務区分と整理は必要だと感じました。

統括マネージャーとして働きながら、また複数のゲストハウスを直接運営しながら業務の悩みをもとに様々な勤務スケジュールを試した結果、ゲストハウスは時間帯によってやることが大きく変わるということに気づきました。そこで大きくは午前と午後に業務を区分するのが最も一般的で効率的だという判断をし、現在も私たちが運営中のすべての施設はこのように時間帯を分けて人材を採用し教育しています。

では一体、ゲストハウススタッフはどんな仕事をするのか?

ゲストハウススタッフの仕事は、客室準備、接客対応、顧客が去った後の次のお客様を迎えるための準備など、すべてゲスト中心に流れます。ゲストハウスの日課を時間順に並べてみると、次のようになります。

朝食提供、チェックアウト対応、客室・トイレ清掃、洗濯、備品補充、チェックイン準備、チェックイン対応、予約問い合わせ対応、翌日の朝食準備など。

この中で最も核心となる午前業務午後業務を把握することが重要です。

午前と午後の主要業務を把握する

午前の主な業務は清掃と洗濯で、午後の主な業務は顧客対応と予約管理です。顧客がチェックアウトした後は、客室清掃、寝具洗濯、ゴミ整理、備品補充など、新しいゲストを迎えるための多くの準備が必要です。そのため、ほとんどのチェックアウトからチェックインまでの間隔は最低4時間程度は確保するのが良いでしょう。

# 午前の核心業務1:寝具洗濯および客室清掃

もちろん施設ごとに事情は異なるでしょうが、基本的に清掃と洗濯の時間は施設の規模に比例します。もし寝具洗濯を外部業者に委託したり、清掃専任の人員がいれば、ゲストハウススタッフの仕事は減らせます。

しかし寝具洗濯は清潔さと信頼の問題であるため、できる限り自分でやるのが一番です。(施設内の業務を処理できる人員と環境が整っているなら)私も自分が運営する施設はすべて直接清掃し洗濯しています。多くの施設で清掃と洗濯業務をどう配分し、人員をどのように投入すべきか分からず難しいと言います。しかし施設の規模や動線に合わせてマニュアルがきちんと整っており、またそのマニュアルをすべてのスタッフがきちんと把握していれば、ほとんどの困難は思ったより簡単に解決します。清掃が含まれる時間に勤務するスタッフの業務には必ず清掃と洗濯を含め、これについての十分な教育を事前に行えば、人員と時間を効率的に運営できます。

客室清掃の核心は**「ベッドメイキング」**で、これは辞書的定義では枕とマットレスなどを含む寝具を意味しますが、現場ではベッドと寝具を整える全ての作業を指します。使用した寝具を剥がして清潔な寝具に交換した後、再び見栄えよく整える過程で、実際に客室清掃を担当するスタッフが最も多くの時間を割いて気を配らなければならない部分です。

客室ベッドメイキング (出典:Google無料使用画像検索)

# 午前の核心業務2:共用スペース清掃

客室清掃が終わったら、今度は共用スペースの清掃が行われます。朝食を提供する施設は通常、朝食時間終了後にある程度整理と清掃をしておきます。この他、共用キッチン、リビング、ルーフトップ、テラスなど顧客が共用で利用するスペースも定期的な清掃が必要です。

共用スペースは客室ほど毎日のように掃いたり拭いたりすることはできませんが、多くの人が出入りする分すぐに汚れるため、少なくともゲストが利用するのに不便がないよう、チェックイン開始前までには確認を終えなければなりません。特に施設構造が共用スペースを通って客室に入るよう設計されていれば、共用スペースも客室に劣らず清潔に保つのが良いでしょう。

# 午前の核心業務3:備品および消耗品確認、チェックイン準備

すべてのスペースの清掃が終わったら、顧客に提供する備品と消耗品を確認しなければなりません。通常は清掃とベッドメイキングの中で各客室に何が不足しているか把握しておき、清掃の最終段階で補充する方式が効率的です。施設ごとに客室、浴室、共用スペースなどに必要な備品と消耗品も少しずつ異なるでしょうが、施設なら必ず備えるべき物品がいくつかあります。客室内部には寝具、タオル、エアコン、ヘアドライヤー、ティッシュなどを、浴室にはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、ゴミ箱などを備えておくのが国内ゲストハウス基準の基本装備事項です。

施設の備品と消耗品を事前に補充しておこう!

清掃、ベッドメイキング、洗濯、備品および消耗品の補充などの業務を終えたら、今やチェックインを受ける準備が整ったことになり、ここまでが午前スタッフの役割です。チェックイン前にすべての清掃が終わっていなければならないので、ほとんどの業務を遅くとも午後2〜3時の間には終わらせなければなりません。

清掃過程をこれほど詳しく述べた理由は、ほぼすべてのスタッフが午前の清掃業務で実際に期待していた仕事と最も大きなギャップを感じるからです。施設ごとに清掃に対する業務分担が異なり、ある施設は清掃専任スタッフを雇うこともありますが、確実な事実は、すべてのゲストハウスの午前には清掃業務が主となるということです。

出典:Google無料使用画像検索

# 午後の核心業務1:チェックイン

一般的な宿泊施設は午後3〜4時からチェックインが始まります。チェックインは施設の第一印象を決定づける瞬間に他なりません。したがってチェックインを担当するスタッフは、施設を代表する顔と言えます。チェックイン手続きの最も基本は、予約者の情報、決済有無、追加リクエスト事項などを確認し、予約した客室にご案内することです。

チェックインは通常5分から10分程度の短い時間がかかりますが、この間にスタッフは顧客に施設を迅速・正確にご案内し、外国人や内国人の顧客がどんな質問をしても慌てずに対応しなければなりません。そのため通常、午後勤務スタッフには基本的に堪能な外国語能力と明るい性格を求める傾向があります。また午後は午前より肉体労働は少ないものの、迅速な状況判断や情報力が重要なので、精神的に力を多く使わなければなりません。書類を作成したり予約プログラムを確認するなど、コンピュータを活用する業務も多いため、これに関する基本知識や関心も必要です。

# 午後の核心業務2:オフライン顧客対応

午後勤務スタッフは勤務中、随時ゲストのリクエストに応えなければなりません。例えばティッシュの追加提供のような非常に簡単なことから、観光地やグルメ店の問い合わせ、航空券や列車などの交通手段予約はもちろん、コンサートチケットや入場券予約の手伝い依頼、さらには体調を崩した顧客のための病院案内まで…思ったより問い合わせ内容が本当に多様なので、最も基本的に自分の施設と周辺の便益施設情報は必ず把握しておきましょう。

ほとんどのゲストハウススタッフ志望者が期待する業務は通常午後に多く起こりますが、これもまた大変な仕事が多いです。特に無理な要求をするお客様に対応しなければならない時が最も辛いです。ゲストハウスは宿泊業であると同時にサービス業であるため、できる限り彼らが快適に過ごせるよう気を配るのが正しいです。しかし、たまに無料人員追加とか、朝食を決められた時間外に随時要求するなど、本当に無理な要求状況が発生する場合、円滑に解決するためのコミュニケーション能力と忍耐力、努力が必要です。

# 午後の核心業務3:オンライン問い合わせ対応、予約管理

また午後には電話やオンラインを通じて随時入ってくる予約問い合わせにも迅速かつ正確な対応をしなければなりません。**予約は施設の売上に直結する部分で非常に重要です。**したがって施設のフロントを担当するスタッフなら、現在販売可能な客室数、各客室価格などを把握し、基本的な予約問い合わせに答えられなければなりません。またすでに宿泊中のゲストが予約変更を要請する場合もあるため、予約管理全般の流れ把握も必須です。

また午後のスタッフがブログやInstagramなど施設のSNS運営まで担当する所もあります。やはり直接顧客に会い、施設で起こることを最も近くで経験するため、生き生きとした情報伝達がスムーズだからです。

最後に退勤前までチェックインしていないゲストがいれば、これらを把握して施設利用に問題がないようご案内しなければなりません。小規模ゲストハウスは24時間フロントを運営できるほど人員を確保するのが難しいため、チェックインおよび対応時間を決めておき、それ以外の時間には問題が起きないよう事前に確認し対処する細やかさが必要なのです。

ゲストハウススタッフの現実

ゲストハウススタッフと言えば、外国人との交流、お客様との旅の話など、なぜか分からないけれどワクワクして楽しいことばかりが先に思い浮かびます。しかし実際にゲストハウスが運営される幸せな外見の裏には、きつい労働が多数存在します。

ゲストハウスを運営する人々が口を揃えて言うのは、**「思ったより気を使うことが多すぎる」**ということです。もちろんゲストとの楽しい時間もあります。しかしゲストハウスの午前は毎日のように清掃、洗濯と戦争を繰り広げているようで、午後にはゲストハウスの電話、メール、現場に殺到する問い合わせを処理するのに休む暇もなく考えて答えなければなりません。もちろんこうしたゲストハウスの仕事が適性に合って楽しいという人も見ましたが、これは極めて少数にすぎません。

ゲストハウススタッフ応募時の注意事項

スタッフであれ運営者であれ、ゲストハウスを夢見る人なら、本当に母親の心で丁寧に施設とゲストの世話ができる自信があるか考えてみてください。ゲストハウススタッフの業務、ゲストハウス運営について正確に理解し、もう少し深く考えてみることをお勧めします

また現在、ゲストハウススタッフはほとんどがパートタイマーとして勤務しています。比較的同じ業務を繰り返す飲食店、カフェ、PC房、コンビニなどのパートタイマーとは違い、ゲストハウスは朝、午前、午後、夕方にすべき仕事が明確に区分される傾向があります。そのためゲストハウスの求人広告を見ると、午前、午後、終日勤務などに分かれているのが分かります。この時、午前と午後に行う異なる仕事を上記のように事前に知っておいて応募するのが良いでしょう。

ゲストハウスで働くことは期待とは違ってこんなに大変なのに、依然として数多くの人がゲストハウスを夢見ています。一体なぜこれほど多くの人がゲストハウスで働きたがるのでしょうか?

次回は、ゲストハウスでロマンを夢見た**「ゲスタッフ(ゲスト+スタッフ)」**について話してみようと思います。

[連載目次]

(ゲストハウスの人の物語) 01. プロローグ + 私はゲストハウススタッフです。 02. ゲストハウススタッフの1日、密着取材25時間。 03. ゲストハウスにはなぜ「ゲスタッフ」が生まれたのか? 04. ゲストハウスに最も必要な1つのこと、人。

(ゲストハウスの運営の物語) 05. ゲストハウスオーナーたちの悩み 06. 世の中には良いゲストハウスも多く、悪いゲストハウスも多い。 07. 運営がうまくいく施設には「それ」がある。 08. ゲストハウススタンダード

(ゲストハウスの創業の物語) 09. ゲストハウスは宿泊業か、サービス業か、不動産業か。 10. ゲストハウス運営者のDNA 11. なるべき人はなる? うまくいく施設はうまくいく! 12. それでも私はゲストハウスを愛しています。

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