TL;DR

ゲストハウスが生き残るには施設や資本ではなく、運営者の人間力が全てだ。旅のスタイルが個人化し「体験」を求める客が増えた今、ホストの個性と対話能力が最後の競争力になっている。

04. ゲストハウスに最も必要なひとつのもの、それは「人」

Writer 숙소발전소(宿所発電所)運営統括 CHLOE (https://brunch.co.kr/@merrychloemas)

Editor ONDA ソ・モラ マネージャー

숙소발전소(宿所発電所)運営統括 CHLOE

こんにちは。ゲストハウスの運営代行と教育を専門とする숙소발전소の共同代表兼運営統括を務めるCHLOE(クロエ)です。

最初はゲストハウスのスタッフとして宿泊業界に足を踏み入れ、フランチャイズゲストハウスの統括マネージャー、そして宿泊施設統合予約管理サービスONDAでの営業・パートナー支援業務を通じて視野を広げてきました。そして今は再びゲストハウス運営に集中し、その世界の中で懸命に仕事をしている宿泊施設の運営者でもあります。宿泊施設でさまざまな役割を担ってきた経験と、多様なコンセプトの施設を運営してきた経験から蓄積した運営ノウハウを、多くの方に広く共有したいと思っています。

ゲストハウス運営の核心は、結局「人」である

ゲストハウスは他の宿泊施設よりも**「人と出会う場所」**というイメージが強い。実際、新しい人と出会いたくてゲストハウスを訪れる人がいるほど、ゲストハウスは単なる宿泊空間を超えた深い意味を持っている。韓国に最初のゲストハウスが登場した7〜8年前、「ドミトリー型」客室(ゲストハウスとホステルにしかない寮タイプの客室)のおかげで、初対面の人と同じ部屋を使うという体験だけで、見知らぬがゆえに新鮮な経験を提供していた。

しかしゲストハウスが全国的に増えてからは、単にドミトリーのような客室タイプだけでなく**「ホストの役割」も重要になってきた。この時期、いくつかのゲストハウスが宿泊客を対象にパーティーを開き始めると、反応は非常に熱かった。その後、あちこちのゲストハウスがこぞってパーティーを開き旅行者を集め、ここからゲストハウスは本格的に単なる寝る場所ではなく新しい体験をする空間**へと生まれ変わり始めた。さらにゲストハウスがパーティーだけでなく、ツアーや一日クラスなど多様なプログラムを企画し、宿泊施設以上の意味を持つようになったのは当然の流れだ。

Photo by Sylvie Tittel on Unsplash

こうした宿泊施設の役割の変化は、旅のスタイルが団体旅行中心から個人旅行へと移った結果だ。個人旅行者の割合が増え、旅を自分で計画し作り上げる人が増えるにつれ、宿泊施設の役割も単なる宿泊提供から「宿泊+カルチャー」を提供する形へと強化され、それに伴いホストの役割は以前よりさらに重要にならざるを得なくなった。

ゲストハウスは基本的に労働集約的なビジネスだ。特別な技術や設備がなくても、巨大な資本がなくても始められる。本当に簡単に言えば、余っている部屋がひとつあればホストになれる。しかしゲストハウスは誰でも簡単に始められる分、市場競争が激しい分野でもある。数多くの宿泊施設の中から自分の施設が顧客に選ばれるには、独自の競争力を持っている必要がある。一般的に宿泊業界の構造の中で、ゲストハウスは通常ゲストハウス同士で競争するが、地域によってはゲストハウスがホテルと競争しなければならない場合もある。おかげで(?)ゲストハウスの品質は次第に上方平準化され、旅行者はどこへ行くか嬉しい悩みを抱えられるようになったが、ゲストハウス運営者たちは絶えず変化する旅行トレンドと無限競争の中で生き残るため、終わりなき悩みを抱えることになった。

果たしてゲストハウスが宿泊市場で生き残るために最も必要なものは何だろうか?

これまでの経験をもとに直接この質問に答えるなら、うまくいく宿泊施設を作るため、特にゲストハウスで守るべき最も重要な条件は、他でもない**「宿泊施設を誰が運営するか」**だ。

今日の「ゲストハウススタッフからオーナーまで」第4回として、ゲストハウス運営における**「人がどれほど、どのように重要か」**について集中的にお話ししたい。

ゲストハウスと他の宿泊施設の違い

他の宿泊施設と異なり、ゲストハウスならではの差別化された特徴として**「ホストの個性」**が挙げられる。ゲストハウスはホテルやモーテルのような大規模施設のように定型化されたサービスを提供せず、施設のホストがどんな人かによって提供されるすべてが千差万別だ。ゲストハウスを旅行者のネットワーキング空間にしたいホストが運営する施設なら、パーティーやツアーなどのイベントが頻繁に開かれる賑やかな雰囲気になるだろう。逆に旅行者がゲストハウスで静かに休んでいってほしいホストなら、その施設は休息に焦点を当てた、できるだけプライベートな時間と空間を保証する雰囲気になるだろう。

ゲストハウスはホテルと違い、一定水準以上の施設とサービスを提供しなければならないという義務感や期待感から解放される。だから宿泊施設としての基本的な設備とサービスさえ備えれば、**「ホストの思うまま」**に運営することが可能だ。基本に忠実なコスパの良い施設として顧客に満足を与えることも、ゲストハウスでありながらホテルに劣らない施設とサービスで意外性のある体験を提供して満足度を最大化することもできる。また、世界にひとつだけのコンセプトで唯一無二の体験を提供する特別さが顧客を満足させる鍵となることもある。それほどゲストハウスは「ホストが誰か」によって多様な方法で運営される。

ゲストハウスが他の宿泊施設と差別化される特徴は「ホストの個性」だ。(出典:Google検索)

ゲストハウス運営の核心は「人」

このようにゲストハウス運営の核心は**「人」**だ。施設の物理的な立地や設備は、事実上一度決まると変えるのが容易ではない。だから結局、施設のイメージと評判を決める要素は、施設固有のコンセプトと雰囲気を作り出すホスト自身となる。

比較的客観的に評価される要素である設備は、資本を投資すればどんな施設でも似たような良い評価を受けることができる。だからゲストハウスブーム初期にはフランチャイズ型ゲストハウスも多かった。規格化され統一された設備で最低限の期待は満たそうというものだった。しかし顧客はフランチャイズだからといってどの店舗でも同じ満足感を得ることはできなかった。同じブランド、同じインテリア、同じ設備を備えたゲストハウスでも、誰が運営するかによって宿泊体験が変わったからだ。こうしてフランチャイズブランドがゲストハウスの実質的な運営に決して肯定的な影響だけを与えるわけではないため、現在フランチャイズゲストハウスは徐々に減少傾向にある。(実際、同じブランドという理由で、他の店舗での否定的な体験をもとに低評価を受けた施設もあった)

結局、大半のゲストハウスが必要としているのは、実際の運営に役立つノウハウマニュアルだ。どうせ施設のコンセプトと雰囲気はホストの性向についていくようになっている。だからゲストハウスのホストが本当に求めているのは、自分の施設にどんな壁紙を貼ればより良いかではなく、顧客対応で不都合なことが起きたらどう対処するかを知ることなのだ。つまり、ゲストハウスのホストは「どんな人で、どんな役割をすべきか」を認識することが本当に重要だ。

もちろんゲストハウスにおいて設備とインテリアもまた非常に重要な要素だ。この要素を通じて、施設が目指す価値を視覚的に表現できるからだ。設備とインテリアを通じてホストの性向がそのまま表れることもある。シンプルで清潔感を好むホストはモノトーンのインテリアで施設を飾るだろうし、こぢんまりしたものを好むホストは室内のあちこちに可愛い小物を配置するだろう。設備とインテリアも顧客が施設を選ぶ基準のひとつであるため、一般的に顧客はそれぞれの好みに合わせて飾られた施設を選ぶ。したがって、どちらが正しいか間違っているか、重要か重要でないかと言える部分ではないが、インテリアにも流行があるため、時期によってより愛される施設が生まれることもある。それでもなお、設備とインテリアをどう整えるかも、そのホストが提供しようとする宿泊体験によって変わってくるため、施設運営において最も重要なことはやはり**「ホストが誰か」**なのだ。

ホストによる運営の変化

ゲストハウスを運営する人が「誰」であるかが最も重要だと考えるようになった決定的なきっかけは、「ホスト」の交代により施設の運命が180度変わるのを経験したからだ。ここで例として話すゲストハウスは、本当に多様な施設を運営し教育してきたが、その施設を初めて引き受けた当時、「これ以上悪くなることはない」と思うほどほぼ運営不可能な状態の施設も同然だった。施設の立地や基本的な設備も良い方ではなかったし、長い間管理されず施設自体の清潔状態と老朽化の程度が深刻だった。施設の予約率、売上、そして評判が良いはずもなかったのは当然だ。

残念ながら、施設がそのような状況に陥った最大の理由は「ホスト」だった。当時、施設運営を全面的に担当していた方は高齢の男性だった。そのため、急速に変化する宿泊トレンドに迅速に対応することが難しく、20〜30代の大学生や若い旅行者がターゲットのゲストハウスで、彼らの要望や好みを反映するのも容易ではなかった。またゲストハウス運営は体力的に厳しく多くのエネルギーを必要とするため、それに疲れて一定水準以上のサービスを継続的に提供することが困難だったのだ。もちろん人によって性向は異なるため、ホストの年齢が常に運営の妨げになるわけではない。ただ長期的に若い旅行客を相手にしなければならないゲストハウス産業の特性上、運営者はさまざまな面でこれに対応できなければならない。

ホストの交代は施設の運命が変わるきっかけだった。(出典:Google検索)

私たちがその施設の運営を引き受けた後、最初にしたことは、長い間問題となっていた設備面および顧客対応部分をひとつずつ改善していく作業だった。これと同時に、常に同じサービスを提供できるよう施設専用マニュアルを制作したのは言うまでもない。結果的にその施設は現在、良い評価を受けながら安定的に収益を上げるゲストハウスとなった。この施設に最も急務だったのは、施設を十分に管理できるホストだった。

私たちは多くの面で、これまでホストが不在同然だった過去を補うため、非常に小さなことから大きなことまでホストの役割に心血を注いだ。たとえば、顧客がチェックアウトするとき先に声をかけて、利用中に不便はなかったかフィードバックを受けるようにした。フィードバックで受けた内容のうち頻度が高い項目は改善し、実際の運営に反映して再訪した顧客から良い評価を受けたこともあった。

これは非常に些細なことだったが、顧客には施設の真摯さを証明し信頼度を高めるきっかけとなった。

顧客の声に耳を傾け、短所を改善する運営者の姿勢

ここで核心的に注目すべき点は、何をどう変えたかよりもゲストの話に耳を傾け、すぐに変化しようと努力する姿勢だ。実際のゲストのレビューを見ると、不便事項を質問したことと、フィードバックを最大限反映しようとする姿勢を高く評価していることがわかった。一般的に評判の良いゲストハウスのレビューを見ると、「ホストが親切だ」という内容のレビューが最も多い。つまり、ゲストハウスの立地/設備/インテリア/朝食などさまざまな評価項目の中でも、顧客の記憶に最も残る要素は「人」なのだ。

また、施設が持っていた設備面での短所は、顧客対応サービスを最大化することで極力補完するようにした。たとえば共用バスルームしかない施設の特性上、宿泊人数が多い週末などはチェックアウト時間を1時間ほど遅らせて、できる限り不便がないよう措置した。また施設が位置する地域のため、遅い時間にチェックインする顧客が多かったが、事前に何度も文字メッセージや予約チャネル内のメッセージ機能などを積極的に活用して情報を十分に案内し、顧客対応に不足がないようにした。その施設で実施した大半の変化は大きな費用がかからなかった。ただ顧客の立場でより良いものは何かを考え実行した結果だった。

実際、顧客の満足度を高める方法はホテルもゲストハウスも同じだ。無料宿泊券や金額割引など金銭的な特典を提供すれば当面は目立つかもしれないが、顧客の心を動かすのは結局真心のこもったサービスである場合が多い。

ウェルカムペーパーを提供する

実際に施設を運営して最も反応が良かった顧客対応方法は**「ウェルカムペーパー」**だった。すべての客室にチェックインする顧客の名前が書かれたウェルカムペーパーを置いて、ささやかながら意味あるイベントを提供した。通常これはホテルでよく行われるサービスだが、すべての顧客は大切だという意味を込めて、もてなしを受けている気分になってもらおうとゲストハウスでも適用してみた。

その結果、これがゲストに良い第一印象を植え付けただけでなく、客室管理にも大きく役立った。特にドミトリー客室が多い施設では、ベッドをひとつひとつ個別管理しなければならないため個室より一層注意が必要だが、ウェルカムペーパーのおかげで使用中のベッドと未使用のベッドを簡単に区別できた。また、チェックイン時にゲストへ迅速かつ正確な案内が提供され、チェックインサービスへの満足度を高められたという利点もあった。

このようにゲストハウスで運営の完成度を高める方法はディテールの差であり、これはまさに「人」にしかできない部分だ。

それではゲストハウスで「人」にしかできない役割は、他にどんなものがあるだろうか?

チェックインのある客室やベッドに置く「ウェルカムペーパー」

レビュー管理

施設の個性がよく表れるように**「レビュー」**を管理することも、ホストにしかできない精緻で最も重要な仕事だ。ほとんどの旅行者は施設を予約する前に、予約しようとする施設のレビューをまず確認する。施設や予約サイトが提供する情報だけではわかりにくい部分を、レビューを通じて確認できるからだ。中でも特にホストに関する情報はレビューを通じてのみ知ることができる部分だ。ホストが顧客をどう対応するか、また何か問題が起きたときどう処理するかについても、すべてレビューに残る。

ホストがこのレビューにどう対処しているかも非常に重要な部分だ。もちろんゲストが肯定的なレビューを残してくれればいいが、常に良いレビューばかり受けられるわけではないため、否定的なレビューへの賢明な対処が必要だ。

まず否定的なレビューなどははっきりと整理するのが良い。たとえば、ドミトリーのベッドごとに個人用カーテンがあればよかったというフィードバックを受けたなら、現在存在しない設備であることを確認し、それによって不便をかけたことへの認識と謝罪、そして今後どのように改善していく計画かを回答として残すのだ。ドミトリーに個人用カーテンを設置するのは施設の事情によって今すぐ可能だったり時間がかかったりする問題なので、正確な日程を知らせるのは難しいかもしれないが、少なくとも運営者がその問題点について認識しているという点をはっきりと伝えることが重要だ。

また否定的なレビューに対して感情的だったり言い訳がましい内容が含まれた対処をする行為は、ホストと施設に対する顧客の信頼に影響を与える可能性があるため注意が必要だ。また、レビューに先立ってチェックアウト時間にできるだけ多くの顧客に会い、直接施設に対するフィードバックを受け理解する時間を持つのが良い。顧客と目を合わせてほんの少しでも話を交わすことが、顧客にはこの施設がよく管理されているというイメージを植え付けることができる。

レビューは施設の最大の財産と言えるほど、数十万円、数百万円をかけたマーケティングより大きな効果を生み出す。だから私たちはできるだけ多く、そして良いレビューを積み重ねることが重要だ。当然レビューは多ければ多いほど良く、良い点数を得るほどさらに良い。上記で述べた内容のように、ほとんどの旅行者が施設を予約する前に必ずレビューを確認し、このレビューは旅行客が施設予約を確定する上で決定的な役割を果たすため、肯定的なレビューであれ否定的なレビューであれ、**まずレビューをたくさん積み重ねなければならない。**レビューがあまりにないと、かえって施設を判断できる基準がないと見なされ、実際の予約につながるのが難しい。

レビューを最大限たくさん積み重ね、施設運営に活用しよう。(出典:Google検索)

レビューをたくさん集める方法

それではレビューはどうすればたくさん集められるだろうか?最も簡単な方法は、顧客に直接レビューを残してほしいと依頼することだ。顧客がチェックアウトするときにフィードバックを聞き、施設に満足した顧客がいたら即座にレビューを依頼しても良い。ただし、否定的なフィードバックをした場合は、レビューを即座に依頼するよりも書面を通じて改めて依頼するのが良い。

肯定的なフィードバックをした場合でも、その顧客が実際にレビューを残す割合は多くない。したがって定期的にチェックアウトした顧客にメールまたは予約チャネルのメッセージ機能を活用して、施設利用後のレビューを残してほしいと丁重に依頼する作業が必要だ。自分の施設に外国人顧客が多く訪れるなら、さまざまな言語でテンプレートをあらかじめ準備しておき、1〜2週間に一度、最低でも月に一度はレビューを依頼するのが最も簡単で早い方法だ。時々、施設のオープン記念日やクリスマス、または夏休みのような大きな記念日に金銭的な特典が与えられるレビューイベントを開催するのもまたひとつの方法になり得る。

ホストの役割によって施設は生き返ることもあれば消えることもある。またホストの対応によって施設の不足が相殺されたり補完されたりするほど、ゲストハウス運営では**「人」の役割が必要不可欠で重要だ。**徐々に人口が減り、人的労働を代替できる技術がひとつずつ開発されることで、しばらくは人が立つ場所を失うかもしれないという主張に力が入った時期もあった。技術は絶えず進歩しており、すでに人的労働を代替するレベルの技術も準備されている。

しかしゲストハウスの顧客たちは、施設がどれほど優れた技術力を備えているかを最も重要な基準とはしていない。ゲストハウスだけが持つ長所、**「ホストの個性」**を活かす方法を積極的に活用して、あなたの施設が数多くの施設の中で顧客に選ばれる施設として生き残ることを応援したい。

「ホストの個性」を活かしてこそ選ばれる施設になれる。(出典:Google検索)

[連載目次]

(ゲストハウスの人の物語) 01. プロローグ + 私はゲストハウススタッフです。 02. ゲストハウススタッフの1日、密着取材25時間。 03. ゲストハウスにはなぜ「ゲスタッフ」が生まれたのか? 04. ゲストハウスに最も必要なひとつのもの、人。

(ゲストハウスの運営の物語) 05. ゲストハウスオーナーたちの悩み 06. 世の中には良いゲストハウスも多く、悪いゲストハウスも多い。 07. 運営がうまくいく施設には「あれ」がある。 08. ゲストハウススタンダード

(ゲストハウスの創業の物語) 09. ゲストハウスは宿泊業か、サービス業か、不動産業か。 10. ゲストハウス運営者のDNA 11. うまくいく人はうまくいく? うまくいく施設はうまくいく! 12. それでも私はゲストハウスを愛します。

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