ゲストハウス運営に必要なのは立地でもインテリアでもない。何より大きいのは「運営者のDNA」だ。365日清潔を守る粘り強さ、客の声に耳を傾ける誠実さ、そして学び続ける姿勢。運営代行の現場で見えてきた、本当に良い施設をつくる人の条件。
10. ゲストハウス運営者のDNA
Writer 숙소발전소(宿所発電所) 運営統括 CHLOE (https://brunch.co.kr/@merrychloemas)
Editor ONDA ソモラ マネージャー


숙소발전소 運営統括 CHLOE
こんにちは。ゲストハウス運営代行と教育を専門とする숙소발전소の共同代表で、運営統括を務めるCHLOE(クロエ)と申します。
最初はゲストハウススタッフとして宿泊業界に足を踏み入れ、フランチャイズゲストハウスの統括マネージャーや統合予約管理サービスONDAの営業・パートナー支援業務を通じて視野を広げてきました。そして今は再びゲストハウス運営に集中し、その世界の中で懸命に働いている運営者でもあります。宿泊施設でさまざまな役割を経験し、多様なコンセプトの施設を運営してきた経験をもとに蓄積した運営ノウハウを、多くの方々に広く共有したいと思っています。

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数年間宿泊施設を運営していると、宿泊施設運営を夢見る人々に会うたびに「ああ、こういう人が運営する施設は本当に良さそうだな」、あるいは逆に「ああ、こういう人は絶対に運営してはいけないのに…」という思いが湧いてくる。私自身も、自分が宿泊施設を運営していいのか確信が持てたことはなかったが、前者のような運営者になるために努力してきた。
望ましい宿泊施設運営者の資質に気づく瞬間は、ほとんどが残念な瞬間だった。「こうすればもっと良かったのに」と気づく瞬間ごとに、宿泊施設運営者として備えるべきことを学んできた。
マガジンオン2019年4月号に掲載されたこの連載の第4回コラム「ゲストハウスに最も必要な一つのこと、人」(https://brunch.co.kr/@merrychloemas/11)でも話したように、ゲストハウス運営のために重要な条件は施設の立地、コンセプト、インテリア、サービス、価格など多岐にわたる。しかし、何より「運営者の能力」ほど重要なものがあるだろうか。
運営を始めて間もない頃は、自分が担当する施設に集中するあまり、外部の優れた施設を見る機会がほとんどなかった。また、しばらくは自分の施設だけに集中しても時間が足りないほどだった。各施設に最適化されたマニュアルを作り、試行錯誤を重ねながらマニュアルを補完していくと、ある瞬間「ああ、この程度なら十分だ」と思える時がやってきた。しかし、まさにそうやって安心した瞬間ごとに、「骨を打つような」正鵠を射たフィードバックを受けることになった。だから、運営者としてまだ学び、備えるべき点が多いことを知った。
365日、基本を守る粘り強さ
一日に数多くのゲストを電話、オンライン、現場などで同時に対応するため、特定のゲストを覚えているのは実際には簡単ではない。しかし、その中でも忘れられない人が何人かいる。記憶に残るほどのゲストなら、必ずエピソードが発生するからだ。そのエピソードのほとんどは良くない出来事なのが苦笑いものだが、ともかくそうした事件を通じて何度も反芻し、悟ったことがある。それが**「粘り強さ」の力**だ。施設がどれだけ粘り強く運営されているかは「顧客レビュー」で確認できる。顧客が残すレビューには、時に運営者が教えていない情報まで細かく記される。結局、顧客レビューは施設の真摯さを垣間見ることができる情報なのだ。

施設がどれだけ粘り強く運営されているかは「顧客レビュー」で確認できる。
宿泊業が備えるべき粘り強さの一つは**「清潔さ」だ。清潔な宿泊施設は最も基本中の基本なのに、運営者が疲れると粘り強く維持するのが難しくなる部分でもある。しかし、この清潔さは粘り強くなければすぐに表れてしまう。何度も話してきた清潔さを維持するノウハウの一つは「ダブルチェック」**だ。ダブルチェックとは、清掃時間にきれいに掃除するのは当然として、掃除が終わった後に別の人がもう一度、二度と清掃状態を確認する行動を指す。
**「ダブルチェック」**を最初にマニュアル化したのも、ある顧客のレビューがきっかけだった。運営を任されて間もない時期で、全スタッフが熱意を持って清掃やサービスに気を配っていたのに、残念ながらある客室の清潔さに問題が生じたことがあった。確実にきれいに清掃した客室だったが、顧客からのクレームを受けて客室に行ってみると、寝具と床に埃や髪の毛がたくさん溜まっていた。原因は清掃時間中に開けていた窓だった。換気のために開けておいた窓を、清掃が終わったら閉めるべきなのに、うっかり開けたままにしてしまい、外部から異物がたくさん入り込んでしまったのだ。結局、その顧客は客室が清潔でないというレビューを残した。当然悔しかったが、顧客に言い訳はできなかった。清掃の仕上げをきちんとしなかった私たちのミスだったからだ。その出来事をきっかけに、私たちは清掃の最後の工程に、どんなことがあっても最低一回以上は客室を再確認する「ダブルチェック」をマニュアルに追加し、今でも実行し続けている。
清掃は宿泊施設運営において最も不可欠で最も反復的な業務だ。だから簡単にマンネリズムに陥ったり、怠慢になったりする可能性がある業務であり、宿泊施設運営者が最も警戒すべき業務でもある。清掃を一例として粘り強さの重要性について話したが、実はすべての業務が粘り強く一定水準以上の成果を出せるように維持しなければならない。

清潔な宿泊施設は最も基本中の基本なのに、運営者が疲れると粘り強く維持するのが難しくなる部分でもある。
100人の顧客のための100通りのサービス
ゲストハウスの顧客は全世界からやってくる。その顧客たちは人種、国籍、職業、ライフスタイル、旅行スタイルなど、すべてが異なる。もちろんだからといって、ゲストハウスの全顧客を100%満足させるサービスを提供しなければならないわけではない。基本的に宿泊施設としての基本機能に忠実であり、その上で施設ごとに細やかなサービスを提供する過程で少しずつ差をつければいい。
施設ごとに現実的に提供できるサービスには限界がある。実際、施設の立地、規模、コンセプトなどによってサービスの範囲は既に決まっているようなものだ。それでも宿泊施設運営者が常に念頭に置くべきことが一つある。それは例外状況だ。施設のルールがAだからといって、すべての顧客がAを理解し受け入れる確率は10%未満だ。
私自身も宿泊施設を運営する中で多くの人々に出会い、視野が広がり、それだけ多様性を尊重できるようになったと思っていた。どんな状況が発生しても動じない自信が大きくなっていった。しかし、やはりそうした錯覚(?)を打ち砕く出来事が続けて起こった。
最も頻繁に発生する戸惑う出来事は文化的な差異による行動だ。一例として「客室内でも靴を履いて歩いたり、バスルームのスリッパを外で履いて歩く」外国人ゲストが時々いる。実際、韓国は室内と室外の区別が明確な文化だが、このような文化に慣れていない人々は、自分が慣れた習慣に従って靴を履いたり脱いだりするしかない。そのたびに顧客にいつ靴を脱ぐべきか、そしてバスルームのスリッパはバスルーム内だけで履くべきだと伝えても、なかなか実践してもらえない。
確かに長い間身についた習慣に逆らって、数日間新しいルールに従うのは簡単なことではない。頭ではそうした困難を理解しているにもかかわらず、実際に似たような状況が目の前で発生するたびに戸惑ってしまう。「そうかもしれない」と思いながらも、一方では「なぜそうするの?」という疑問が湧くのを見ると、文化的な差異を受け入れることは依然として容易ではない。
この状況に対する解決策は、根気強く案内し続ける方法しかない。施設の構造を変えないのであれば。ここで重要なのは、上記のような戸惑う出来事が発生したときの運営者の対処方法だ。ゲストハウスは多様な顧客と向き合う分、毎回説明しなければならない状況でも理解できる心が重要だ。
文化的な差異ではなく、個人的な性向や好みの違いで発生する例外状況も多い。施設が提供する布団の素材が気に入らない顧客がいるかもしれないし、朝食で提供するメニューの中でコーヒーの味が気に入らない顧客がいるかもしれない。とんでもない要求をする顧客も時々いる。五人で三人部屋を予約してきて追加料金を支払おうとしなかったり、運営者への事前連絡なしにペットと密かに宿泊しようとする人も現れる。このように戸惑ったり呆れたりする状況が発生するたびに多くのエネルギーを注がなければならないなら、運営者はすぐに疲れてしまう。
時には例外状況であっても「そういうものだ」と受け流すのが、長期的な視点で助けになることがある。宿泊施設運営そのものが多様な人々を相手にする仕事だということを考慮しないなら、あなたは一ヶ月も持たずに神経衰弱になるかもしれない。それだけ宿泊施設運営者には、どんなことにも一喜一憂しない毅然とした心構えが必要だ。結局、**100人の顧客のためには100通りのサービスを準備しなければならないと考えるのがいい。**それだけ予想もしなかった出来事が頻繁に発生するからだ。

100人の顧客のためには100通りのサービスを準備しなければならないと考えるのがいい。
DNAは生まれた時から持って生まれるものだが、予備創業者には宿泊施設運営を始める前に、あらかじめ宿泊施設運営者のDNAを体と心に植え付けてほしいと言いたい。宿泊施設運営者になった瞬間から、まるで最初からそうだった人のように振る舞えるように。それだけ宿泊施設を運営するには多くの準備が必要だ。
ゲストハウス予備創業者のための創業コンサルティングをする際、最初のテーマとして「自分を振り返る」という話をする。実際どんな仕事でも始める前に、最低限「この仕事は自分に合っているか」あるいは「この仕事は自分が得意な仕事か」を考えるべきなのに、予備創業者の大半は客観的な情報の確認に汲々としている。例えば「ゲストハウスにいくら投資すればいくら稼げるらしい」あるいは「ゲストハウスをオープンして1年間でいくら稼いだらしい」といった具合だ。しかし、宿泊施設運営は機械ではなく人間がやるべき仕事の方がはるかに多い。
だから、自分が果たして宿泊施設運営者としての準備ができているか確認することが、収益率を計算することと同じくらい重要だ。結局、その収益率を作る人は自分自身なので、本当に運営をうまくやる自信があるのか、宿泊施設運営に適しているか、準備ができている人なのかを確認しなければならないからだ。
では、ゲストハウス運営者のDNAにはどんな特徴があるのだろうか?ゲストハウス創業を望む人々のために簡単なチェックリストを作ってみた。この中でいくつ該当するかセルフ診断してみて、不足している部分を見つけて埋めていくことをお勧めする。

[宿泊施設運営者のセルフチェックリスト]
- 私は埃が溜まるのを我慢できない方だ。
- 私は神経が図太い方だ。
- 私は勤勉な方だ。
- 私はあまり眠くならない方だ。
- 私は人に会うのが好きだ。
- 私は年齢、国籍、性別、宗教などに関わらず誰とでも話すことに抵抗がない。
- 私はストレスをあまり受けない方だ。
- 私はポジティブだ。
- 私は理性的な方だ。
- 私は数字に強い方だ。
- 私は文章をうまく書く方だ。
- 私は絶え間なく学ぶ方だ。
- 私は新しいことにも早く適応する方だ。
- 私は別れに慣れている方だ。
- 私はよく笑う方だ。
- 私は電子機器を扱うことに慣れている。
- 私はあまり動揺しない方だ。
- 私はメモをする習慣を持っている。
- 私は忍耐力がある方だ。
- 私は共感をうまくする方だ。
[連載目次]
(ゲストハウスの人々の物語) 01. プロローグ + 私はゲストハウススタッフです。 02. ゲストハウススタッフの一日、密着取材25時間。 03. ゲストハウスにはなぜ「ゲスタッフ」が生まれたのか? 04. ゲストハウスに最も必要な一つのこと、人。
(ゲストハウスの運営物語) 05. ゲストハウス代表たちの悩み 06. 世の中には良いゲストハウスもたくさんあるし、悪いゲストハウスもたくさんある。 07. 運営がうまくいく宿泊施設には「それ」がある**。** 08. ゲストハウススタンダード
(ゲストハウスの創業物語) 09. ゲストハウスは宿泊業なのか、サービス業なのか、不動産業なのか。 10. ゲストハウス運営者のDNA 11. なるべき人はなる?うまくいく宿泊施設はうまくいく! 12. それでも私はゲストハウスを愛しています。
