TL;DR

会社員と大学生がゲストハウスを始めると決めたが、何から手をつければいいのか分からない。そんなとき頭に浮かんだのがAirbnbだった。誰でもホストになれるプラットフォームが、経験ゼロの二人にどんな可能性を開いたのか。

Writer ソウル月光ゲストハウス チョン・スンホ

Editor ONDA ソ・モラ マネージャー

ソウル月光ゲストハウス 東大門店(本店) 住所:ソウル市鍾路区昌信洞329-18 客室タイプ:小型ツインルーム、小型ダブルルーム、一般ツインルーム 付帯施設:共用リビング・キッチン、屋上庭園 周辺観光地:駱山公園、興仁之門、DDP、昌信洞文具玩具市場、東廟のみの市

ソウル月光ゲストハウス DDP店(支店) 住所:ソウル市中区奨忠洞2街74 客室タイプ:ダブルルーム、ファミリールーム(3人、4人、6人) 付帯施設:共用リビング・キッチン、屋上庭園 周辺観光地:奨忠体育館、南山、光熙門、清渓川など

ソウル月光ゲストハウス SNS ウェブサイト:http://seouldalbit.com Instagram:@seoul_dalbit

05. 構想する

— ビジネスを具体的に描き始める

Photo by Patrick Perkins on Unsplash

東大門の現場で宿泊業の可能性を目の当たりにした。事業のフィールドはゲストハウスに決まった。だが、その可能性を肌で感じながらも、ビジネスを始める上で最大の問題が一つあった。

ビジネス経験ゼロのサラリーマンと大学生が出会ったせいで、アイデアは頭にあっても、何から手をつければいいのかまったくわからなかったのだ。

まず、頭の中に無数の疑問が湧いた。

儲かるアイテムなら無条件に始めるべき?
経験のない自分たちにできるのか?
どんなコストがかかる?
管理はどうすればいい?
世界一周した友人はともかく、旅行経験の少ない自分が旅行者の心をつかめるのか?

どう始めればいいのか悩んでいたとき、ある言葉が頭をよぎった。

Airbnb.

エアビーアンドビー**。**アメリカ出身の3人の友人が家賃を稼ぐため、アパートを旅行者に貸し出したことから始まったプラットフォーム。ホストが住んでいる、もしくは空いているスペースを旅行者に一定金額で共有する形の宿泊を提供する。活用可能なスペースとAirbnbアカウントさえあれば、誰でも共有宿泊を提供するホストになれる可能性を秘めたプラットフォーム。<写真1></写真1>

写真1. シェアリングエコノミーの可能性を象徴する代表的プラットフォーム、Airbnb

Airbnbが誕生して10数年が経った2019年現在、エアビーアンドビーは誰もが一度は耳にしたことがある共有宿泊プラットフォームであり、毎月約8000万人が訪問**<写真2></写真2>**し、市場価値300億ドルに達するユニコーン企業となった。しかしわずか4、5年前の2015年には、韓国ではまだ聞きなれない概念だった。Airbnbが正式に韓国支社を設立・進出したのは2014年初めだったからだ。

写真2. エアビーアンドビー 2019年3月の月間訪問者統計(出典:https://www.similarweb.com/website/airbnb.com#overview)

韓国市場ではまだ一般化していなかったが、当時トレンドを扱うブログやソーシャルメディアでは、AirbnbをはじめUberや韓国のSOCARなどシェアリングエコノミープラットフォームの可能性が賞賛されていた。大規模な不動産なしに、部屋一つあれば宿泊業を開き、外国人を相手に営業できる機会。お金も経験もない私たちのような青二才2人にとって、Airbnbこそ小資本・小規模創業にうってつけのプラットフォームだった。

エアビーアンドビーを思いついてから、学生と会社員は話し始めた。では、どんな空間を旅行者に貸し出すか? 私が住んでいるワンルームは東大門近くで立地は良いが狭すぎて、自分の生活スペースも余裕がない。友人の家は江西エリアで観光客を引きつけにくい場所だった。それなら、ソウル市内で観光客が好む場所に適度な広さの月貸しスペースを借りて、エアビーアンドビーを開こう、という結論に至った。

どんな事業でも営業を始めるには許可と登録が必要なため、関連法規を調べた。そうして、ホステルや観光ホテルなど一定規模以上の宿泊施設ではなく、小規模のホームステイやB&B(Bed&Breakfast)宿を運営するのに適した「外国人専用都市民泊業」という業種を発見した。[文体部ガイドライン参照]<写真3></写真3>

写真3. 外国人観光都市民泊業の定義(出典:外国人観光都市民泊業業務処理ガイドライン、2016)

外国人専用都市民泊業は、一戸建てまたは多世帯住宅、アパート、連立・多世帯住宅などで可能であり、**オフィステルや近隣生活施設(一般商業施設や考試院など)での営業は[違法]**である。余談だが、2019年現在エアビーアンドビーに載っている数多くのオフィステルやレジデンス宿は、大半が無許可で違法営業していると見ていい。

ともあれ、私たちは都市民泊業許可を取得できる適度な規模の不動産を借りてエアビーアンドビーを開くという大筋の結論を出し、どのエリアでどう運営するかという具体的な小結論は追って相談することにした。

街ゆく外国人を見て「観光客向けビジネスをしよう」という漠然とした空想から、足で稼いで市場の姿と需要の実態を確認してデータを取得すると、「適度な規模の不動産で観光客向け都市民泊業をする」という具体化された構想が生まれた。

友人と別れた後、じっくり考えた。いずれにせよエアビーアンドビーを開くには不動産を借りる必要があるから、保証金だけで少なくとも数千万ウォン単位のそれなりの資金が要る。各種インテリアや小物を入れ、安定するまでの初期運営費を考えればさらに大金が必要だ。それなら、経験も資金も足りない学生と会社員2人でやるより、どうせならば同じ志を持つ人を集めてやろう。そして、それぞれ本業があって100%寄与は難しいから、複数人で品評会のように一定%の寄与度を決めて分担しよう。(もちろん、こうした理想的な分業は実際にやってみるとうまくいかないのだが。)

そう考えると、私はそのときから周囲の**この事業に関心を持ちそうな誰にでも計画を話して回り始めた。**小さな事業を開こうと計画していること、東大門からかなり離れた自分のワンルームにも観光客が来るほど需要は十分で将来性があること、実際に足で回ったときにはさらに確実にその需要を確認したこと、都市民泊業許可を通じて小規模な宿でも営業を始められること。

大層な事業計画ではなく口頭で伝える構想レベルだったが、周囲に話して回る行動は計画を知らせる以上の結果をもたらした。関心ある人を引き込む機会になるだけでなく、自分自身が話しながら練っていた考えや計画が頭の中で整理され、決意が固まり、気持ちを引き締めるきっかけになった。

そうして3つほどの知人グループと接触していたとき、ある友人から返事が来た。自分は参加しないが、大学の後輩を紹介しようというのだ。その後輩はすでに2014年、ソウル駅近くにエアビーアンドビー宿を開き、約1年間成功裏に運営しているという。そして彼は、小規模エアビーアンドビーで観光宿泊業の可能性をすでに発見していたため、本格的に「ゲストハウス」宿を創業する計画を立てているとのことだった。

こんな縁がつながったのは偶然か、必然か? ささやかにB&B宿を運営する程度から急に話が大きくなるようで怖い気持ちもあったが、会って損することは何もないだろう。

すぐに会う場が設けられた。

[連載目次]

2019.01 プロローグ 2019.02 目を覚ます 2019.03 空想する 2019.04 観察する 2019.05 構想する 2019.06 出会い 2019.07 胸が躍る 2019.08 息を整える 2019.09 計算 2019.10 迷う 2019.11 第一歩を踏み出す 2019.12 形作られる 2020.01 グランドオープン 2020.02 エピローグ — 退社過程の要約

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