TL;DR

チョン・スンホのゲストハウス創業記、最終章。オープン当日を迎えるまでに踏んだ行政手続き、保険、そして初めての予約客。書類と現実のギャップに揺れながら、それでも扉を開けた起業家の1日目の記録。

13. グランドオープン

— ついに、オープンの日がやってきた。

Writer ソウルダルビットゲストハウス チョン・スンホ

Editor ONDA ソモラ マネージャー

ソウルダルビット ゲストハウス 東大門店(本店) 住所:ソウル市鍾路区チャンシン洞329-18 客室タイプ:小型ツイン、小型ダブル、一般ツイン 付帯施設:共用リビング&キッチン、屋上庭園 周辺観光地:ナクサン公園、興仁之門、DDP、チャンシン洞文具・玩具市場、東廟フリーマーケット

ソウルダルビット ゲストハウス DDP店(支店) 住所:ソウル市中区奨忠洞2街74 客室タイプ:ダブル、ファミリー(3人、4人、6人) 付帯施設:共用リビング&キッチン、屋上庭園 周辺観光地:奨忠体育館、南山、光熙門、清渓川など

ソウルダルビット ゲストハウス SNS ホームページ:http://seouldalbit.com インスタグラム:@seoul_dalbit

Photo by Clem Onojeghuo on Unsplash
Photo by Clem Onojeghuo on Unsplash

2016年1月2日。ついにオープンの日を迎えた。僕たちの初営業がスタートした、まさにその日だ。

「合法的な」運営のための行政手続き

オープン前に準備することは山ほどあった。真っ先に進めなければならなかったのが行政的な手続き。僕たちのゲストハウスは観光宿泊業として建物用途変更を申請したため、その要件はかなり厳格だった。観光宿泊業の場合、事前に事業計画書を提出する必要があり、客室間の壁の厚さ、廊下の幅、さらには建物前の道路幅まで、一つひとつチェックする項目が多岐にわたった。

ゲストハウス創業を夢見る読者の中で、既存の宿泊業として営業していた建物ではなく、新たに建物を宿泊用途に変更しようとする場合は、以前の記事でも触れたが、専門家である建築士のアドバイスを求めるのが最も確実だ。

官公庁で許可手続きを進める場合、一般宿泊業は保健衛生(保健所)、**観光宿泊業は観光行政(観光部署)**で書類審査と許可手続きを行うのだが、実は客室20室前後の中小規模ゲストハウスを実際に運営する立場からすると、どの用途で許可を受けるかは事業に決定的な影響を与えるわけではない。

ただし、宿泊業創業を準備する立場では、関連法令を一度ずつ精読し、お互いの微妙な違いを把握しておくことをお勧めする。

法的基準に合わせて施設を整備し、施設点検に出向いた担当公務員の検査まで完了すれば、建物の用途変更は終わる。次は、宿泊業営業申告が必要になる。

この過程でいくつもの行政手続きが飛び出してきて混乱しがちだが、基本的には**「宿泊業用途の建物」を確保した状態がベースとなり、その建物で「自分が宿泊業営業をすると申告」する手続き**として進行する。まず「宿泊業用途の建物」のために建物用途変更を完了し、次に「自分が宿泊業営業をすると申告」するのが営業申告段階だと考えればいい。

営業申告は業種ごとに異なるが、上述のとおり、一般宿泊業は保健行政を担当する保健所保健衛生課で、観光宿泊業は各官公庁の観光関連部署で行えばいい。申告時には事業者が事前に準備すべき書類があり、まず営業主体の身分確認(法人の場合は登記簿謄本と印鑑証明)、内部平面図、電気安全・ガス安全・消防安全関連書類、そして関連するオンライン教育が必要な場合は修了証を提出すればいい。準備書類が複雑に感じられるかもしれないが、各官公庁の担当部署に電話で問い合わせれば親切に案内してくれるので、心配無用だ。

営業申告を済ませた後、地域の税務署を訪問して事業者登録まで完了すれば、これで行政手続きは終了する。税務署での事業者登録手続きも、電話・オンライン問い合わせで確認可能で、必要書類と情報さえ揃っていれば、事業者登録はわずか数十分で完了する簡単な手続きだ。

もう一つ必ず押さえておくべき点、それが保険だ。最近、多くの人が利用する施設で大小の安全事故が発生し、痛ましい人命被害が生じたことを受け、2017年から飲食店や宿泊施設、図書館、博物館などの施設に対して**「災害賠償責任保険」加入が制度的に義務化**された。一般的に加入する火災保険が単に施設被害に対する補償を担うのに対し、災害賠償責任保険は他人の生命や損失まで責任を負う保険という点が違いだ。

一般宿泊施設と観光宿泊施設を営業しようとする場合、この保険の義務加入対象となり、未加入時には過料が課されるので、必ず加入しよう。

(2019年に国民安全処が統合され、国民災難安全ポータルへ情報が移行)

国民災難安全ポータル — 風水害保険について

予約を受けるためのオンライン販売チャネル登録

頭の痛い行政手続きをクリアしたら、次は実戦マーケティングと販売が必要な時点だ。宿泊を販売するチャネルは、あなたの宿泊施設がソウルにあるのか地方か、有名観光地か否か、宿泊業の性格がゲストハウスかホテルかペンションかモーテルか、主要ターゲット顧客が韓国人か外国人か、大学生か家族か、そのすべての要素によって千差万別だ。

したがって、自分の宿泊施設がどんな宿泊施設なのか、そのアイデンティティを明確に設定した後に販売チャネルとマーケティング方法論を決定する方が効果的だ。

私のゲストハウスは外国人観光客が主な顧客であるソウル東大門地域に位置したため、海外利用客が圧倒的多数のBooking.comとAgoda、Airbnbなどのオンライン・エージェンシーに登録することにした。

このようなオンライン予約サイトをOTA(Online Travel Agency)と呼ぶが、現在全世界のOTA市場はBooking.comに代表されるPricelineグループと、Expedia/Hotels.com/Trivagoなどを持つExpediaグループが二分している。これ以外に、チャイナパワーで独り巨大級のサイズを誇る中国のCtrip、そして彗星のごとく現れOTA市場の勢力図を揺るがしているAirbnbがある。

OTAごとに多少の差はあるが、販売価格基準で15〜20%程度の手数料を取られる。血の涙が出るような比率ではないか。しかも、彼らは韓国に法人すら設立していないため、付加税還付もしてくれない! しかし、仕方ない。こうしたエージェンシーを経由しなければ、海外の観光客を募集する機会すらつかみづらいのだから。

ExpediaグループとPricelineグループのブランドリスト。私たちが知っている大抵のブランドは、互いに家族関係だ。
ExpediaグループとPricelineグループのブランドリスト。私たちが知っている大抵のブランドは、互いに家族関係だ。

上記に列挙した予約サイトの中で、トラフィック(訪問者数)で見たとき最も圧倒的なOTAは断然Booking.comだ。韓国では知名度がそれほど高くないので意外かもしれないが、2018年基準で下記のトラフィック順位を見ると2位のTripAdvisorの2倍以上で、2位から5位までのトラフィックをすべて足したよりも圧倒的に高い。

個人的に推測するに、他のOTAが予約者のノーショーリスク防止のために前払いを原則としていた時、Booking.comはチェックイン時の現地決済という破格的な条件を打ち出し、多様な旅行会社や航空会社などと連携して販売チャネルを広げたため、圧倒的な1位が可能だったのではないかと思う。

もちろん、現地決済原則のおかげで、ずるい予約者やノーショー、虚偽の詐欺的予約のリスクはすべて宿泊施設運営者が背負うことになったが。

OTAのTraffic順位。Booking.comが圧倒的に多い。出典:https://medium.com/traveltechmedia/online-travel-metrics-traffic-marketing-channels-mobile-12ae78a84029
OTAのTraffic順位。Booking.comが圧倒的に多い。出典:https://medium.com/traveltechmedia/online-travel-metrics-traffic-marketing-channels-mobile-12ae78a84029

エージェンシー登録のためには、それぞれの管理者ページを訪問して新規加入し、新規宿泊施設登録を進めればいい。私たちが初めてゲストハウスを始めた2016年当時は、かなり書類作業が煩雑で手続きが複雑だった記憶があるが、新たな強者Airbnbがその参入障壁を破格的に下げたことで、既存OTAも危機感を感じたのか、今は登録手続きがかなり簡単になった。

宿泊施設の所在地、客室数、宿泊オプション(朝食、TV有無、個別/共用バスルームなど)を適切に選択して客室設定をし、料金まで登録すれば基本的な手続きは終わる。宿泊施設を探す旅行者の目を引くために多様なプロモーションや割引イベントを行うのは、これからあなたの仕事。

順にAgodaのYCS、Airbnb hostモード、Booking.com Extranet。このようなページなどで会員登録後、宿泊施設を登録する。
順にAgodaのYCS、Airbnb hostモード、Booking.com Extranet。このようなページなどで会員登録後、宿泊施設を登録する。

複数の予約サイトに登録する場合、それぞれ登録された予約ページから個別に予約が入ってくると、いちいち確認して予約者名と客室タイプを確認し、他の予約サイトで重複してオーバーブッキングが発生しないよう在庫を調整し、時差のある他国から入る予約も確認するために昼夜問わずメールボックスをあさらなければならない労力の消耗は相当なものだが、これを一度に同期化して解決してくれるソリューションがある。それがチャネルマネージャー(Channel Manager)とPMS(Property Managing System)というサービスだ。

チャネルマネージャーは各予約サイトから入る予約を自動的に受け付けてシステムに取り込み、他のサイトで予約が重なってオーバーブッキングが発生しないよう同期してくれる。PMSは文字通り宿泊施設を管理するシステムで、客室予約状況を確認し、売上と稼働率をひと目で確認するなど宿泊施設を管理するシステム。通常、チャネルマネージャーとPMSはワンセットのように動く。

韓国で現在サービスしているチャネルマネージャーの中で独歩的に強力なシステムを提供する会社は断然ONDA(旧ZARI)サービス。主要OTAであるBooking.com、Agoda、Expedia、Airbnb、Ctrip、Hostelworldなどにチャネルマネージャーサービスを提供し、NaverやTmon、11番街など韓国顧客向けのマーケティングチャネルでも販売できるサービスを提供している。

しかも客室管理するPMSサービスは下記のキャプチャのようにExcel画面のように非常に直感的に見ることができ、管理に非常に便利だ。2016年から3年以上ずっと使用しており、今、共同経営者たちと合計4つの宿泊施設を運営しているが、すべてONDAのシステムを使用中だ。

グローバルにはMyAllocatorEZ PMSのようなサービスがあるが、韓国で使用するにはONDAほど最適化されたサービスはないと思う

ONDAの旧サービス客室管理画面。各予約サイトで受け付けた予約を、このように直感的に自動配置してくれる。最近はさらに新しく洗練された形にアップデートされた。
ONDAの旧サービス客室管理画面。各予約サイトで受け付けた予約を、このように直感的に自動配置してくれる。最近はさらに新しく洗練された形にアップデートされた。

ONDAサービス加入を希望する方はhttps://onda.me/を訪問してほしい。新サービスを4月にローンチして既存サービスの新規加入が中断されたと聞いているが、新サービスのONDA Waveも継続的に洗練されているので、このサービスを新たに利用してみるといいだろう。彼らのサービスクオリティを考えれば、高度化を少し待ってもそれだけの価値が十分にある。

ONDA(온다) — 숙박 산業의 바른 内일을 제시합니다.

「泊まりに行きたい」写真を撮る

宿泊施設を予約サイトに登録する際に重要なのは、何と言っても**「泊まりに行きたい」写真を撮影すること**だ。ただ個人の宿を空ける日にAirbnbで間欠的に販売するだけなら、スマホで適度にフィルターをかけて撮影するのもいいが、本格的に宿泊業営業をしたいなら、専門の撮影作家を手配し、良い撮影機材もレンタルして一日日程を決めて撮るのが良い方法だ。

他の記事でも触れたが、デザイナーや写真作家とマッチングできるプラットフォームは最近かなり活性化しており、その単価もそれほど高い方ではない。30〜50万ウォン程度の費用を払って数年間ずっと使える美しい写真数十〜数百枚を得られるなら、悪くない取引だ。

もしこうした費用を直接支払うのが負担なら、Airbnbが自主的に手配した写真作家を支援するサービスもある。出張撮影1回につき約15万ウォン程度だが、ホストが直接支払うのではなく、後から入る宿泊予約で自動償還される方式。

私たちのゲストハウスの場合、ロゴをデザインしたデザイナーに依頼し、宿泊施設内部写真の撮影と後処理作業までお願いし、その結果は非常に満足いくものだった!

宿泊施設内部を美しく撮影した写真。見た瞬間「泊まりに行きたい」という気持ちになるように上手く撮ることが重要だ。
宿泊施設内部を美しく撮影した写真。見た瞬間「泊まりに行きたい」という気持ちになるように上手く撮ることが重要だ。

これから共にするスタッフの採用

行政的に宿泊施設の営業を申告し、オンライン販売のために写真も撮り、エージェンシー登録まで準備を終えた。次に残っているのは、まさに宿泊施設の現場でお客様を迎え、施設管理まで直接担ってくれる、最も重要な「人」— スタッフを採用すること。

私たちの最初のゲストハウスの最初のスタッフは、知らない人を採用したくないという恐れが先に立った。そこで知人たちを探して回り、実の弟の友人と学校の後輩に話を持ちかけ、彼らの知人たちを私たちの最初のゲストハウススタッフとして採用した...が、後で振り返ってみると、未知の人に対する不信感が強すぎたのではないかと思う。

振り返ってみると、直接的な知人を採用した時は良かったとしても、その人が良かったからと他の友人を紹介してもらった場合、期待に及ばなかったり業務をきちんと処理できなかったりと、良くない結果になったケースが多かった。その理由をじっくり考えてみると、**「ゲストハウススタッフがしたくて」ではなく、ただ「時間が余っているし、たまたま友人が紹介してくれたから」**という偶然で引き受けたからではないかと思う。

こうして知人紹介ケースで何度か良くない結果を得た後は、アルバモンやアルバチョングクのような採用プラットフォームを活用し、結果的にははるかに誠実で、意欲的で、時には運営者である私が学ぶ点も非常に多い優秀なスタッフたちがたくさん来てくれた。ゲストハウススタッフとして働きたいと思う人材たちだったからこそ、さらに真摯に仕事に臨んでくれたのではないだろうか。

ゲストハウススタッフに応募する人の多数は「旅行でゲストハウス/ホステルに泊まった思い出が楽しかったから」「旅行の感覚を味わいたくて」「韓国でも外国語を使う仕事をしたくて」応募する。しかし私が以前の記事でも触れたように、**ゲストハウスにロマンはない。**世界各国から訪れる厄介客の饗宴が繰り広げられ、大陸のバッタ商人が一日に数十個の梱包箱を開けまくって床にばらまいて帰り、時も場所もわきまえずに故障する設備たちが日常になってしまうのだから。

だからこそ、ゲストハウスを最初に運営し始めた時点では、スタッフを採用する際に最大限仕事を良く楽に説明しようとしたが、最近はむしろ最初から大変で骨の折れる仕事が多いことを詳しく説明し、それほど楽しいだけの仕事ではないことを強調している。

ゲストハウスにロマンはなかった

そうして3年以上運営した今、経験したスタッフは約20人を超え、その中には2年以上働いて正社員として採用したスタッフも生まれた。みんな一人ひとりが感謝で大切なご縁だ。

こう書いてみると、態度云々を語る頑固者の感じが漂うが、運営者の代わりに店を任せて責任を持つスタッフを選ぶ時は、より慎重で保守的な視野を持たざるを得ないようだ。

営業許可も受け、予約サイトに登録まで完了し、運営してくれるスタッフまで採用した。

退屈な事前作業をすべて終え、ついに2016年1月2日、オープンの日。最初のお客様が到着した。

韓国人4人家族だった。

みんな、どうすればいいのかわからなかった。何から案内すべきか、どこから見せるべきか、マニュアルすらないのに!

オープン初日だからと集まった共同経営者たちにスタッフまで合わせると全員で5人が右往左往しながら、これをお知らせして、あれを見せて、紆余曲折の末に最初のお客様のチェックインを終えた。

最初の開始のお客様だと申し上げると、4人家族の方々も満足そうにしながら一つひとつ説明を聞いてくださり、部屋に入る際には満足そうな様子だった。

何かすっきりしながらも、わくわくし、心配もしながら、胸が熱くなった。

こうして実に7ヶ月を超えるゲストハウスオープンプロジェクトが終わり、

こうして私たちのゲストハウスの運営が始まった。

[連載目次]

2019.01 プロローグ

2019.02 目を覚ます

2019.03 空想する

2019.04 観察する

2019.05 構想する

2019.06 出会い

2019.07 ときめく

2019.08 息を整える

2019.09 計算

2019.10 迷う

2019.11 最初の一歩

2019.12 作られていく

2020.01 グランドオープン

2020.02 エピローグ — 退社過程要約

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