宿泊客による備品破損に対し、損害賠償を請求できるのか?
ソン・ジウン弁護士が語る 宿泊業と法律の話
06. 宿泊客が客室の備品を壊した場合、どう対処すればいい?
宿泊業 法律Q&A 第3弾
Writer : ソン・ジウン 弁護士
Editor : ONDA イ・チェウン マネージャー
宿を運営していると、お客様がリネンや食器類などを壊してしまうケースがたまにあります。チェックアウト後に客室内の備品破損に気づいたとき、どう対処できるでしょうか? 損害賠償を請求できるのか知りたいです。
質問者の方が書かれたように、宿泊客による備品破損で困った状況に直面する宿泊業のオーナー様は多いかと思います。今回は宿泊客が客室の備品を壊した場合、宿泊業オーナーはどう対処できるかを見ていきます。
宿泊客の備品破損、「故意」か「過失」か?
まず、お客様が備品を壊したのが「故意」かどうかによって対処法が変わります。もし宿泊客が**「故意」**に備品を破損した場合、刑法上の器物損壊罪に該当する可能性があります。
刑法第366条(器物損壊等)
他人の財物、文書または電子記録等の特殊媒体記録を損壊または隠匿、その他の方法でその効用を害した者は3年以下の懲役または700万ウォン以下の罰金に処する。
ここで財物の効用を害するとは、事実上または感情上、財物を本来の使用目的に従って提供できない状態にすることを指し、一時的に当該財物を利用できないようにすることも含みます。*大法院 1971. 11. 23. 宣告 71도1576 判決、大法院 2007. 6. 28. 宣告 2007도2590 判決、大法院 2016. 8. 30. 宣告 2016도3369 判決 等参照
しかし「故意」ではなく、利用過程での**「過失」**で物を壊した場合は器物損壊罪に該当せず、民法上の不法行為による損害賠償請求のみ可能です。
宿泊客の備品破損への対処法は?
器物損壊罪でも民法上の不法行為に基づく損害賠償請求でも、いずれもお客様がリネンや備品等を破損した事実についての立証資料が必要です。 つまり、お客様が客室に宿泊する前は該当備品が正常に機能していたものの、宿泊後に破損したと主張するにはCCTV、写真、事実確認書などの立証資料を準備する必要があるのです。通常、お客様が宿泊する前の客室清掃時に備品を確認するため、このとき確認した事項を記録しておくとよいでしょう。
もしお客様が客室に宿泊する以前に該当備品がきちんと機能していた部分についての立証資料がない場合、犯罪成立および損害賠償請求は実質的に困難です。

また刑事事件に比べ民事訴訟は期間が長くかかる傾向があります。民事訴訟を進める前に、該当するお客様へ立証資料とともに内容証明を送る方法も検討できます。
内容証明は法的効力はありませんが、民事訴訟を進める予定であることを通知するとともに、相手方にある程度のプレッシャーをかけられる点で効率的な場合があります。訴訟に比べて費用も安価です。
内容証明は立証資料とともに、お客様が備品を破損したことを通知し、これに対する賠償を要請する内容で構成するのが一般的で、同じ内容を3部印刷して郵便局を通じて送付します。
今回の宿泊業 法律Q&A 第3弾では、お客様が客室内の備品・リネン等を破損した場合に民事・刑事上で対応できる方法をご案内しました。どちらの方法も立証資料が重要な役割を果たすため、このような状況が発生したら、まず資料を収集することをおすすめします。
