MICE活用でホテル売上を伸ばす。法人・団体客を「効果的に」誘致するには?
18年のMICE専門家が見る、ホテル・旅行業界
04. ホテル売上アップの鍵、MICEプログラム
Writer : シン・ソンチョル Moment Studio 代表
Editor : ONDA イ・チェウン マネージャー
これまで旅行業界全般について扱ってきましたが、これらはすべてホテルブランディングと関連していると言えるでしょう。一般顧客向けマーケティング手段としてSNSが台頭する時代、ブランディングこそが顧客誘致に必要なすべてと言っても過言ではありません。
しかし、ブランディングで一般客をホテルに集めることは基本中の基本。それとは別に、売上を跳ね上げる方策も考えるべきです。その最も代表的な方法がMICEです。
MICE産業とは何か、なぜ誘致すべきなのか?
もう一つの売上成長機会、そしてブランディング効果

MICEは企業会議(Meeting)・報奨旅行(Incentive)・コンベンション(Convention)・展示会(Exhibition)を総称するサービス産業の略称です。
ビジネス観光とも呼ばれ、企業を対象とする点で、一般顧客を誘致する観光産業とはやや異なります。会社や団体が全体を統率するため、ほぼすべてのプログラムを企画・準備する必要があります。したがって、イベント主催者が引率しやすい場所やプログラムを持っていれば非常に有利です。
では、なぜMICEを誘致すべきなのか?
端的に言えば、ホテル内の様々な施設を利用するからです。
例えば、全従業員20名の会社が済州島のホテルで2泊3日のワークショップを行うとしましょう。男性社員16名、女性社員4名で2人1室利用なら、客室だけで10室×2泊、つまり20室分が販売されます。通常1日目はセミナーを行うため、セミナールームなどの付帯施設を利用しますよね。1日目の夕食は1人当たり35,000ウォン相当の済州黒豚バーベキュー、2日目と3日目は朝食のみと仮定してみましょう。
この例で見ると、F&BとBanquet(団体客向け宴会)の費用を通じて、一般客誘致よりも大きな売上が発生することがわかります。もし人数が20名ではなく30名、50名、あるいは100名だったら? しかも週末ではなく平日だったら? 空室率が下がるのはもちろん、大きな売上を想像していただけるでしょう。

また、MICE誘致はブランディング効果ももたらします。 売上アップの話からなぜ急にブランディング効果?
これまで申し上げてきた通り、結局は顧客にどんな体験を創り出すかが最も重要です。ところがMICEの担当者は、ほぼ予算が決まっている場合が多い。決められた予算内で動機づけとなる良い体験を与えたいのに、大半は提供する体験が似通っています。
だからこそ、単に担当者が準備したプログラムを実施するだけでなく、ホテル独自のプログラムを用意して逆に担当者に提案すれば、ブランディング効果が得られるのではないでしょうか。
MICE誘致のTIP 3つ
では、MICEをうまく誘致するにはどうすればいいのか? 私の実体験をもとに3つのTIPをお伝えします。
1. MICEで最も重要な顧客はイベント主催者である
「ホテルに訪れる50名の団体客のほうが重要では? イベント主催者が一番重要だって?」と思う方が多いでしょう。実は多数の団体客の中で、ホテルに再訪する可能性が最も高いのがイベント主催者なのです。
イベント主催者の特性上、あるホテルで満足度が高ければ、似た条件でイベント依頼が入ったとき、そこに再訪する確率が高い。しかし、もしイベント主催者が不満を抱けば、再度イベントを誘致することが難しいだけでなく、悪い体験の噂は思いのほか速く広まり、ホテルのイメージにも影響します。もちろん、良い体験の噂も同様に速く広がります。

このとき満足度や体験は、単に施設そのものにあるわけではありません。私の経験上、施設は非常に素晴らしかったのに、サービスが追いつかず再訪しなかったケースもしばしばありました。イベント進行のための協力を依頼したとき、「うちではそんなことをしたことがない」とか「当ホテルではそのやり方は不可能です」などと言われると、心の中で「ああ、ここはもう来られないな」と思ってしまいます。
したがって、MICEをうまく誘致するには、イベント主催者の引率と統率のための理解と協力が伴わなければ持続できないと言えるでしょう。
2. 団体が利用できるプログラムを準備せよ
ソウルを出て京畿道に行くと、小さな運動場ないしフットサル場を持つ宿泊施設がかなりあります。もちろんこれを備えていない所と比べればとても良いのですが、大抵フットサルやサッカーをするだけがプログラムの全てという場合が多い。このとき施設だけでなく、プログラムも一緒に用意したらどうでしょう?
数年前、楊平のある宿泊施設で80名規模の団体イベントを進行したことがあります。通常イベント主催者は、進行者であり審判であり、MCを兼ねます。ところがその宿は、オーナーの方がサッカー審判資格からレクリエーション講師資格まで持っていて、直接審判とMCを担ってくださったんです。しかも道具まで保有していて、楽にイベントを進行できました。レクリエーション講師を別途手配したときにかかる費用(進行費、補助スタッフ費、道具使用料など、思ったより高いコストを払わなければなりません)よりずっと安く進行できたのはもちろんです。

団体向けのプログラムを準備することは、先ほど申し上げた通り一つのブランディングにもなり得る要素です。例に挙げたように、サッカー審判資格やレクリエーション講師資格を取れという話ではありません。
単にフットサル場を用意するだけでなく、レクリエーション進行用の道具を揃えたり、簡単にルールをまとめたルールブックを準備して専門講師でなくても進行できるようにしたり、あるいは周辺名所やアクティビティと連携したプログラムを用意すれば、ブランディングになるでしょう。
3. 代理店に営業せよ
何よりも最も重要なのは、代理店に営業することです。
MICE誘致で最も重要な顧客はイベント主催者だと申し上げました。イベント主催者がいる場所が、通常は代理店です。しかし大半のオーナーの方は、一般旅行客向けの営業は重視する一方、代理店営業は相対的に軽視するケースが多いですね。
しかし再び最初のTIPに戻れば、MICE誘致ではイベント主催者が最も重要な顧客であり、だからこそイベント主催者がいる代理店に営業活動することが重要です。そのため、平日中心のMICE連携プログラム提案書をベースに営業活動することをお勧めします。

また、このように営業するとしても原則を定めるべきです。法人向けと一般顧客向けの両方をうまく誘致・進行するのは本当に難しいからです。
法人向けを多く誘致しようとすれば、一般旅行客から「うるさい」「混雑している」などのクレームが発生するでしょうし、一般顧客をより考えるなら、その制約により団体客からクレームが生じる可能性があります。
したがって、団体客向けプログラムは平日に、一般旅行客は週末に誘致するという原則を定めて運営するのも一つの方法となるでしょう。
人と人がすることだから、正解は探し続けなければならない
MICE誘致のための3つのTIPをお伝えしましたが、実はすべての人に正解というわけではありません。
しかし重要なのは、私たちがしていることが単にコンピュータプログラムを作ったり方程式を解く問題ではなく、人と人がすることだという点です。正解は人の中にあるのだから、どうすれば人の心を得られるかを考え、正解を探し続けなければなりません。
あなたが考える正解は何ですか?

📖 連載目次
03. エンデミック時代への転換、今はコスパより「コスパフォーマンス」旅行
04. ホテル売上アップの鍵、MICEプログラム