効果的なChatGPTの使い方と、今すぐ使える実務事例4選
ChatGPTをはじめとする生成AI(Generative AI)は、旅行業界で働く人たちの業務の最大40%を効果的に代替できることがわかりました。今後さらに活用範囲が広がるという意見は多くても、「何も代替できない」と答えた人は一人もいません。
しかし、ほとんどの旅行業界の人たちは、AI(人工知能)がもたらす大きな変化には同意しつつ、実際のビジネスにどう影響するのか、実務にどう活かせるのかわからないという声が多く聞かれました。
この記事を読んでいる皆さんも、目の前に迫ったAI革新に戸惑いを感じているかもしれません。そこで、私たちが最も手軽に試せる「ChatGPT」を使ってAIを実務に活用する方法を見ていきましょう。
ChatGPTから最適な回答を得る方法
私たちはChatGPT(または類似の生成AI)を使うことで、かなりの時間がかかっていた作業や、既存のサービスでは不可能だった問題をたった一つの質問で解決できるようになりました。翻訳、テキスト要約、レポート作成など一般的な作業も速く処理できるようになったのです。
ただし、同じ内容でも質問の仕方によって返ってくる答えが変わる事実、ご存知でしたか? ChatGPT、Bing、Bardのような生成AIモデルから望む高品質の結果を引き出すには、「プロンプト エンジニアリング(Prompt Engineering)」が必要です。
プロンプト エンジニアリング、少し難しそうな言葉ですが、簡単に①具体的に質問する、②状況と条件を提供するこの2つだけ覚えておけば大丈夫です。
💡Tip : [マーケティング専門家のように振る舞って]、[あなたは長年のキャリアを持つ観光ガイドです]のように、ChatGPTに役割を与えるとより良い結果が得られます。
ChatGPTから最適な回答を得るために最も重要なのは、具体的に質問することです。どんな内容で質問するかによって返ってくる答えが大きく変わるからです。質問の状況と答えの条件を一緒に提供すれば、より正確な回答が得られます。
例として、ChatGPTを使ってホテルレストランのディナープロモーション文を作ってみましょう。
Q. ホテルレストランのディナープロモーション文を提示して。
・週末のための完璧なプラン、'Weekend Dinner Special'プロモーションで休息とともに格調高いディナーをお楽しみください。休息が必要なすべての方のための特別な機会です。
・'Gourmet Delight'プロモーションで当レストランの特選メニューをお楽しみください。豊かな味わいの料理で満たされた特別な夜を体験できます。
・大切な方との特別な時間、'Romantic Table'プロモーションで甘い夜をプレゼントしてください。高級感あふれるテーブルで最高の料理をお楽しみください。
具体的に質問しなかった場合、ChatGPTは私たちのホテルやレストランとまったく関係のない回答を出すでしょう。状況と条件を十分に提供すれば、すぐにホテルに適用できるディナープロモーション文を提示します。
➡️ 質問の状況と目的を提供
Q. ONDAホテルに洋食レストラン「Dive」がオープンしました。カップル向けのディナープロモーション文を提示して。
・'Dive'の'Romantic Escape'プロモーションで甘い夜をお楽しみください。最高の料理が愛する人との瞬間をより輝かせてくれます。
・愛する人との時間がより特別になるよう、'Dive'で'Dinner for Two'プロモーションをお届けします。静かな夜空の下に広がるロマンティックなディナーをお楽しみください。
・愛する人と'Dive'で'Whisper of Love'プロモーションをお楽しみください。あなたの愛を深く理解する美食の旅へご招待します。
➡️ 望む回答の条件を提供
Q. レストランの主力メニューであるロブスターとワインを入れてディナープロモーション文を提示して。プロモーション名は一番前に書いて。
・'Lobster Lovers' Wine Night': ロブスターを愛するあなたのための、ワインと共に過ごす完璧な夜をお楽しみください。
・'Seafood Elegance & Wine Whisper': ロブスターの新鮮さとワインの深い風味が調和したディナーをお楽しみください。
・'Lobster & Wine Indulgence': ロブスターとワインの完璧なハーモニーで、この夜をより特別なものにしてください。
状況と条件をすべて提供すれば、私たちのホテルとレストランの情報、プロモーションのターゲットをすべて考慮した回答が得られます。

💡Tip : ChatGPTは英語で質問したときはるかに正確で論理的な回答を提供します。「Prompt Genie」をインストールすると、日本語を英語に自動翻訳して質問し、英語で受け取った回答を日本語で再提供してもらえます。
ChatGPT、それでいつ使うの?
ChatGPTから最適な回答を得るためにどう質問すべきか、ある程度理解できたと思います。では、実務ではどんな場合にChatGPTを活用できるのでしょうか? 今すぐ使える基礎的な事例を4つご紹介します。
1️⃣ ブランド&プロモーション戦略の設定
ChatGPTは特定のフレーズを作ったり、サービスの名前、ラベル、アイデアなどを創出する能力に優れています。数百のリストもたった一つの質問で得られます。
先ほど見た簡単なプロモーション文の作成を超えて、ホテルの包括的なブランド戦略を設定する際にも役立ちます。
Q. ホテルのディフューザー商品を発売しようとしている。ホテルに宿泊する外国人観光客に販売するディフューザー製品。韓国の観光地を商品名に入れて。3つの名前をつけて理由も説明して。
・ソウル セレニティ (Seoul Serenity): 「ソウル」は韓国を代表する都市であり、この製品が韓国の都市的な要素を反映している点を強調します。「セレニティ」は平穏さと安定感を意味し、この香りが快適な休息と瞑想の時間を提供することを示唆します。
・釜山 ベイ ブリーズ (Busan Bay Breeze): 釜山は海で有名な都市で、「ベイ ブリーズ」は海風の香りを強調し、この製品が釜山の海辺の風景を思い起こさせることを示唆します。
・済州 ラベンダー ラックス (Jeju Lavender Lux): 済州は韓国で最も美しい自然景観で知られる地域です。「ラベンダー」は済州の豊かな自然を象徴し、「ラックス」は高級感を意味し、この香りが安らぎと静けさを提供することを強調します。
ソウル、釜山、済州など韓国の観光地を込めた高級感あるディフューザー名が生成されました。さらに、ChatGPTが提示した「ソウル セレニティ(Seoul Serenity)」の具体的なブランド戦略を設定してみることもできます。

ChatGPTの助けを借りて、外国人観光客をターゲットに販売するホテルディフューザー商品の名前を決定し、簡単なブランド戦略を設定してみました。特定の商品だけでなく、イベントやプロモーションの戦略も設定できます。より具体的な質問を通じて詳細戦略まで設定することも可能です。
2️⃣ オンラインマーケティングコンテンツ制作
ChatGPTは新しいコンテンツのアイデアを提供するだけでなく、マーケティングコンテンツを完成させることもできます。コンテンツ制作プロセスの一部を完全に自動化できるのです。
「Wrtn(뤼튼)」はChatGPTなどの生成AIをベースに動作するサービスです。特にホテルPRのためのSNS広告、メールマーケティングなど、多様なオンラインマーケティングコンテンツ制作に活用できます。


Wrtnを活用してホテル宿泊券イベントの広告文を生成してみました。Wrtnが提供した回答に少し修正を加えるだけで、十分にFacebook広告に活用できそうです。繰り返される日常業務にChatGPTまたは関連サービスを活用すれば、時間とコストを節約し、より重要な仕事に集中できます。
3️⃣ レビューデータ分析
ChatGPTはテキスト生成だけでなく、顧客レビューの肯定・否定を区別する感情分析にも優れています。顧客が残したレビューの傾向を素早く把握し分類する作業にも活用できます。
任意で30件のレビューを作成した後、ChatGPTで私たちのホテルのレビューを分析してみました。肯定的なレビューと否定的なレビューがそれぞれ何件か、否定的なレビューの理由は何かを分析依頼したところ、このような結果が出ました。

ChatGPTを活用すれば、複数のプラットフォームに蓄積された数百件のレビューをまとめて一度に分析できます。多くの顧客が感じた私たちのホテルの問題点を素早く把握して改善できるでしょう。
💡Tip : ChatGPTプラグインを通じてGoogleスプレッドシートと連携すれば、シートにレビューを整理してすぐに分析できます。
4️⃣ 大容量文書およびデータ処理
大容量の文書やデータを分析・要約することは、ChatGPTが最も得意とすることの一つです。全体の要約を超えて、欲しい内容だけを見つけてくれることもあります。
「ChatPDF」は、レポート、研究論文など大容量のPDFファイルを素早く分析して必要な情報を抽出できるサービスです。ChatGPTと同じように対話するように望む答えを要求できます。
ChatPDFを活用すれば、英語の海外レポートも簡単に読めます。 アメリカの旅行メディアSkiftが公開した「AIが旅行産業に与える影響」レポート(20ページ分量)を添付して、いくつか質問を投げかけてみましょう。

このようにChatPDFは大容量ファイルを素早く把握し、気になる内容だけを探して回答してくれます。該当内容があるページを教えてくれることもあります。
ここまで、ホテル実務に使える非常に基礎的なChatGPT活用法をご紹介しました。これ以外にも、生成AIを実務に活用できる方法は無限にあります。
AI技術が急速な発展を遂げ、既存の業務方式を完全に変えつつあります。宿泊産業でも運営効率、顧客サービス、レビュー管理など複数分野でのAI活用は選択ではなく必須になりつつあります。
Thrive Hospitalityの創業者Annette Verhoeffは、「ChatGPTをコーヒーを持ってくる以外のすべてをこなす個人秘書だと思ってください」と語りました。
今日からChatGPTという個人秘書を雇ってみてはいかがでしょうか?
参考
1. AI in Travel: Sentiment Survey Report - Skift
2. ChatGPT: how to get the most out of your prompt? - hospitalitynet