ミレニアル世代が主導した2018年の旅行トレンドから、グローバル予約サイトの信頼問題、ホカンスブームの台頭まで。韓国宿泊業界に起きた主要動向を一気読み。

ミレニアル世代が牽引した2018年の旅行トレンド、2019年も目が離せない。
2018年の旅行トレンドは、ミレニアル世代が主導したと言って過言ではありません。世界最大の旅行検索エンジン・スカイスキャナーの調査では、海外旅行で最もお金をかけたい項目の1位が「食事」、最も節約したくない項目の最下位も「食事」。今年の流行語「JMT(超美味しい、の略語)」が、ここでも証明された形です。旅行の目的を尋ねた項目では「休息」が1位を占め、冒険や経験を重視した過去とは異なる価値観の変化が見てとれました。
この調査結果から、ミレニアル世代の一般的な志向が旅行トレンドにもそのまま反映されていることが分かります。1980年代初頭から2000年代初頭生まれを指すミレニアル世代は、他の世代に比べてITリテラシーと高学歴比率が高い一方、就職難と生活の質の低下により、社会的成功よりも個人的価値と満足を、所有よりも経験を、未来よりも現在の幸福を追求する傾向が強いのです。
世代の価値観の変化は消費パターンと経済にも影響を及ぼし、企業もこれに合わせて戦略を修正します。Airbnbもこの流れをうまく捉えて成功した事例です。「宿泊以上の体験」をモットーに、民泊シェアだけでなく「Airbnb体験」をローンチし体験型旅行サービスを提供することで、ミレニアル世代の嗜好を直撃しました。流れについていけず取り残されれば、次はありません。果たして自分の宿は、ミレニアル世代の流れに乗って順調に成長しているのか——振り返るべき時です。
[news1, 2018.12.26, 「美味しい食事・休息・友人の推薦が左右」…振り返る2018年旅行トレンド]
グローバル予約サイト、顧客の信頼をいつまで裏切り続けるのか?
海外ホテル予約サイト・アゴダが、検証されていない宿を消費者に販売したにもかかわらず、適切な対応と補償を行わず、顧客が大きな被害を被った事実がニュースで明らかになりました。
ある韓国人家族がマレーシア旅行のためアゴダで宿を予約したものの、出国3日前に当該ホテルから「ポリシー変更により宿泊不可」とのメールを受け取りました。アゴダは宿側のポリシー変更を知らず、慌てて別の宿に予約を変更しましたが、その変更先も正式に商品登録されていない場所で宿泊不可、しかもアゴダ側と連絡が取れなくなりました。まともな宿もなく最悪の思い出を抱えて韓国に帰国した消費者に、アゴダは「宿泊完了」のメッセージを送信。怒った消費者が損害賠償を要求すると宿泊費の返金のみを主張し続けたアゴダは、ニュースへの提供話が出た途端に態度を変え、補償額の10倍を支払うから報道差し止めの覚書を書けと提案——アゴダ側の行為は欺瞞的としか言いようがありません。
便利で安価なため多くの人が利用するグローバル予約サイトですが、関連検索ワードが「返金不可」になるほど不合理なポリシーと、宿の登録・管理・点検の杜撰さで被害者が続出しているのが現実です。また、アゴダのように海外に法人を置く企業は国内法に従う義務がないため、消費者のキャンセル・返金要求を必ずしも履行する必要がない点も大きな問題です。
このような大規模グローバル予約サイトが顧客の信頼を回復しない限り、サイトに客室を登録・販売する宿泊施設と、誠実に宿を運営する経営者に被害が及ばざるを得ない——この状況が実に残念です。
[KBS, 2018.12.18, 「地獄のような家族旅行」..無責任な宿泊サイト・アゴダ]
ホカンス(ホテルバカンス)ブームに勝つための戦略、考えていますか?
最近、国内宿泊の好みがホテルに偏る傾向にあります。過去3年間の国内宿泊形態嗜好度調査では、ホテルは7%成長したのに対し、ペンション(貸別荘)は4%減少しました。今夏の猛暑で自宅を離れホテル等に避暑に出かける客が増え、「ホカンス(ホテル+バカンス)」という新造語まで生まれるほどホテル宿泊ブームが到来しました。しかし一方で、ペンションや民泊を利用する客はどんどん減っています。
旅行の流れが観光重視から休息と癒しへシフトし、自炊よりも外食を楽しむ人が増え、オンライン予約サイトや宿泊アプリの台頭、高いと思われていたホテル料金の適正化など、さまざまな要因がホテルブームに影響を与えたと見られます。ホテルは生き残るため、消費者の変化に合わせて客室料金を引き下げ、商品を多様化し、サービスを改善し、複合文化空間としての新たな顔を見せました。
ペンションもカテゴリーを多様化したり新サービスを打ち出したりと変化を図りましたが、民泊やゲストハウスなど従来の低価格を武器にしてきた宿は、このために価格競争力を失い、消費者の多様な期待を満たせなくなり、市場から押し出されたのです。
まだ国内宿泊ではペンションの好みが高いものの、ホテルが着実に後を追っているため、今後数年のうちにホテルがペンションを追い抜く可能性も念頭に置くべきです。自分の宿は果たして変化する消費者の期待をきちんと満たしているでしょうか? ホテルの影響力を克服し、競争に勝つために何をどう変えるべきか——よく考えなければなりません。
[news1, 2018.12.18, 「ホカンスブーム」ホテルはぐんぐん伸びるのに…ペンションと民泊は?]
スマートコンシューマーとブラックコンシューマー、紙一重?
「BRG」という用語をご存知ですか? BRGはホテル業界で使われる用語の一つで、Best Rate Guarantee(最低価格保証制度)の略です。高級ホテルは忠誠顧客を確保するため会員制度を設け、割引やセール、ポイント還元で顧客を誘致しますが、BRGもその一環として導入されたサービスです。たとえばある顧客がOTAで宿を予約すると、ホテルは当該サイトに高額な手数料を支払わなければなりません。その手数料を削減するため、OTAよりも公式サイトやアプリへ顧客を誘導し、その価格が他ページより高ければ同額またはより安い価格で宿泊できるようにする——それがBRGです。
しかし、BRGポリシーの限界が浮上したのは、ほかならぬ「韓国」からです。特にBRGクレームが最も多い国が韓国だと言われるほど、「スマートコンシューマー」の名を掲げて良質なホテルを信じられないほど安い価格で泊まろうとする韓国人のクレームが度を越しているのです。
もちろん、こうした行為が法的に問題になるわけではありません。しかし消費者の強い要求に応えてその価格に合わせようとすれば、ホテルスタッフの貴重な労働力が浪費され、質の高いサービスを提供しようとするホテルの士気も低下しかねません。すでに複数のホテルは、BRGポリシーの悪用を防ぐため、BRGに条件を付けたり、対象外のサードパーティを提示したり、より厳格な規定を適用し始めています。善意のポリシーが悪用されて消滅しないよう、これによって被害を受ける人が出ないよう、ブラックコンシューマーにならないようにすべきです。
[ミディアペン, 2018.12.16, ホテルBRGの「明暗」]
恐ろしいペンション安全事故、もう「泥棒を見て縄を綯う」のはやめよう
12月末、江原道・江陵(カンヌン)のあるペンションで、大学受験を終えた高校生10名が一酸化炭素中毒事故に遭いました。ペンション内のボイラー煙突の接続が歪み、その隙間から一酸化炭素が漏れ出し、学生たちが滞在していた室内に流入して彼らを死に追いやった痛ましい事件でした。事故直後、学校と教育庁、政府と各種部署が事故収拾に乗り出しましたが、すでに3名の死者が出た後でした。
今回の事件により、宿泊施設の安全管理強化と一酸化炭素検知器の設置義務化の要求が浮上し、安全点検体制の改善など制度的補完も併せて行われる予定です。ペンションの過失だ、政府の過失だ、学校の過失だ、とさまざまな意見が飛び交う中、現在ペンションの安全管理主体すら不明確なのが現実です。
学生たちが宿泊したペンションは観光ペンション業として登録された場所ではなく、農漁村民泊業の許可を受けた宿でした。農漁村民泊業は宿泊業と異なり届出制で運営され、「消火器と火災感知器」の設置のみが義務化されています。特に問題となった一酸化炭素警報器は、農漁村民泊業では設置義務の対象外なのです。
消防の死角地帯にある農漁村民泊制度は、農漁村観光活性化および農家所得増進のため1995年に設けられた政策でした。約25年経ってようやく慌てて対策を準備している政府ですが、今後もこうした「泥棒を見て縄を綯う」が続けば、恐ろしい事件は繰り返されるでしょう。自分の宿の安全がきちんと守られているか、事前点検を実施し、顧客の安全と宿の運営に万全を期していただきたいものです。
[ハンギョレ, 2018.12.20, ペンション、安全管理主体も不明確…政府「警報器義務化」は後手]