韓国のキャンプ客は「車中泊」で手軽に自然を楽しみ、ホテルは宿泊を売らずに地域グルメとブックケーションで稼ぐ。2019年秋、宿泊業界のトレンドはどこまで多様化したのか。

「車中泊」「キャンプニック」…いま韓国で流行る「ミニマルキャンピング」
「車中泊(チャバク)」や「キャンプニック」という造語をご存知でしょうか? SUVなどの車内で宿泊を済ませる「車中泊」、そしてピクニックのように気軽にキャンプを楽しむという意味でCampingとPicnicを掛け合わせた「キャンプニック」。こうした新しい言葉の誕生が象徴するように、韓国のキャンパーたちの間では身軽に、気負わず出かける「ミニマルキャンピング」が大ブームになっています。
韓国観光公社と韓国消費者院が共同発表した最新キャンプトレンドレポートを見ると、キャンプ形態別の関心度で「車中泊」は2017年比で71%増と最も高い伸びを記録。「キャンピングカー」(27%)、「ミニマルキャンプ」(17%)、「キャンプニック」(13%)も大幅に増加しています。
このデータからもミニマルキャンプの人気ぶりが伺えますが、特に「車中泊」は最近のケーブルテレビのキャンプ系バラエティー番組の影響で需要が急増したようです。多少の不便は我慢してもアウトドアの雰囲気を満喫したい――そんな人々にとって「車中泊」は手軽にキャンプ感を演出できる魅力的なトレンドとして響いたのでしょう。漢江や近所の公園で気楽に楽しめる「キャンプニック」も、新しいキャンプの形として浮上しています。
宿泊・アクティビティ予約サービス「ヨギオッテ」の分析データによれば、週末や平日の夕方を利用して気軽に楽しむミニマルキャンプ旅行が人気を集めた今年の秋シーズン、キャンプ旅行者10人中6人がソウル近郊の首都圏へ向かいました。予約量上位10エリアのうち「カピョン(가평)」(32.2%)と「ポチョン(포천)」(26.9%)がほぼ60%を占めるのですから、その傾向は一目瞭然です。
多様なキャンプ・グランピング施設が増えてキャンプのハードルが下がり、装備を揃えなくても気軽に出かけられる――こうした背景から流行している「ミニマルキャンプ」。このトレンドに伴い、首都圏キャンプ旅行の需要も自然と増加するというポジティブな効果が生まれています。もし貴施設がキャンプやグランピング設備を備えているなら、「ミニマルキャンプ」を求める人々が増えているという朗報にぜひ注目してください。この記事を読んでいるキャンプ関連施設の運営者の皆さん、いち早く消費者が求める宿泊スタイルを把握し、それに合った多様なパッケージを用意してみてください。消費者満足度を高めるのはもちろん、かつての輝かしいキャンプ時代が再び訪れることが期待できるはずです。
[ニュース1コリア、2019.10.28、「ミニマルキャンプ旅行」が大勢…「カピョン・ポチョン」人気]
タイムセール、ブックケーション、地域グルメまで…ホテルの進化はどこまで続くのか
最近、多くのホテルが旅行と文化のトレンド変化に合わせて急速に新しい顔に生まれ変わっています。トレンドに足並みを揃え、顧客を自施設へ引き寄せるために大きな努力を重ねているのです。まず、ウォーカーヒル ホテル&リゾートは都心の中の自然をモットーに、休息を求める顧客のための多様な「ブックケーション」プロモーションを展開しました。現在グランド ウォーカーヒル ソウルでは3万冊の蔵書を備えたウォーカーヒル ライブラリーを運営中で、カフェや講演、体験などの文化クラスが融合したブックケーションは斬新だと評価されています。
また特級ホテルが各地域の特色を活かしたユニークなメニューをシグネチャーとして打ち出し、「食い倒れ旅行地」を作り上げている現象も注目に値します。済州新羅ホテルはSNSで食飲施設のシグネチャーメニュー「アワビ韓牛チャドルバギチャンポン」が話題になると、このチャンスを逃さず「ロブスターチャンポン」まで発売し、「済州産アップルマンゴーかき氷」をPRするなど、地域色を取り入れた食飲メニューを絶え間なく開発しています。ハイアットホテルグループのラグジュアリーブランドであるアンダズも地域特性に合わせ、一般的なホテル食飲施設では見つけにくいマッコリや韓国伝統ソースを積極的に活用したメニューを販売し大きな話題を呼びました。今後はソウル内の老舗名店とコラボしたワインディナーも計画中のアンダズホテルは、イベント客室料が1泊28万ウォン、ペントハウスは1千万ウォンを超える高級ホテルですが、消費者の足は絶えず向かい続けています。
こうしたホテルの努力の甲斐あって、ビュッフェ、平日パッケージ、貸切、ツアーなど2019年には非宿泊客のホテル利用比率が急上昇しました。実際、済州新羅ホテルのビュッフェ利用客の60%以上が非宿泊客だったといいます。実は特級ホテルの食飲施設は宿泊しなくても消費者が比較的手軽にホテルを体験できる場所で、売上規模も大きく広報効果も優れているため、口コミになりやすいシグネチャー商品を開発しようと努力するのです。宿泊施設が宿泊を売らなくても別の方法で稼げるとは、ユニークですよね?
ホテルの客室単価設定や販売方式も大きく変わりました。一例として、米国のブラックフライデー文化が渡ってきて11月が国内年中最大のショッピングシーズンに変化すると、ホテルもこれに参加して消費者の旅行心理を刺激し始めたことが挙げられます。実は11月は秋夕連休のある9月、ハロウィンの10月、クリスマス連休を含む12月などと違い、連休もイベントも休日も全くないホテルのオフシーズンです。これを打破するため、新世界朝鮮ホテルはスッデーイベント、ロッテワールドとコラボしたロッテホテルはハロウィンパッケージ、アナンティ南海とロッテホテルチェーンは「タイムセール」というカードを切り出したわけです。
このようにホテルは時代の流れと消費者の変化に足並みを揃え、多くの部分を迅速に変えています。皆さんの施設はいかがでしょうか? ホテルのような大きな資本力も、人材も、あるいは企画力も足りないから無理だとお考えですか? しかし少し目を向けて最新トレンドを探してみれば、難しくなく多くのヒントを見つけられるはずです。そして自施設のブランド化、地域特色サービスの提供、デイリーパッケージやカフェ・食飲運営など、自施設に適用できるインサイトや旅行トレンドが何かを考えてみてください。ささやかなことから始めてみれば、その試みが顧客の足を引き寄せるトリガーになるかもしれませんから。
[マネートゥデイ、2019.11.01、11月「韓国版ブラックフライデー」、ホテルも「タイムセール」します]
[ソウル経済、2019.11.05、済州新羅ホテル「アップルマンゴーかき氷元祖の名店へどうぞ」]
施設の広告費と販売手数料に涙、予約仲介アプリの横暴に苦しむ宿泊事業者
最近、ONDAのセミナーや教育、相談窓口に最も多く寄せられる問い合わせがひとつあります。それは宿泊アプリの広告被害およびシステム手数料に関する問い合わせです。最近、宿泊アプリ市場が爆発的な成長を見せ、ヤノルジャ、ヨギオッテなどに代表される宿泊アプリ運営企業が広告費・手数料を引き上げたためです。このため宿泊施設側が宿泊アプリの横暴を主張して反発する事態にまで発展しています。
宿泊業中央会大邱支社が発表した統計によれば、月平均10億ウォン以上の広告費を宿泊アプリに支払っていると推定され、これは宿泊施設の総利益の30%を占めます。施設ごとに最低20万ウォンから最高550万ウォンまでまちまちですが、施設当たり平均で月300万ウォン程度の広告費および手数料が宿泊アプリへと流れ込んでいます。
実際ヤノルジャは2014年の売上高が約200億ウォンに過ぎませんでしたが、昨年2018年には1600億ウォンに達し、年間売上「1兆クラブ」の仲間入りを果たしました。その大半は販売実績ではなく施設の広告費および手数料で成し遂げた結果です。さらにモバイルアプリの集客広告市場まで掌握し、客単価まで勝手に変更することで絶えず横暴論争を生み出し、結局今年10月の国政監査ではヤノルジャ代表が横暴問題で証人出席することになりました。
自治体ごとの宿泊業中央会など関連協会が乗り出し、広告費上限指定、広告費制限と手数料引き下げ交渉はもちろん、青瓦台国民請願まで多方面で対応策を探していますが、事業主の立場では広告費が高すぎて手数料も負担だとしても、全国宿泊施設利用率が90%に達する宿泊アプリを利用しなければ販売が難しいという思いから、実質的な問題解決は困難な状況です。現在該当アプリ企業は売上増加にもかかわらず5年間ずっと営業損失と当期純損失を記録し赤字規模も拡大しており、その被害を宿泊事業者に丸ごと転嫁しているというのが業界の見方ですから。
施設販売拡大のため仲介プラットフォームは今や必要不可欠な要素となりました。施設と予約アプリは互いに欠かせない、相互協力が絶対に必要な関係です。しかし一方が持つ影響力と依存度を悪用して自分の利益だけを追求するようになれば、結局信頼は崩れ、それは顧客の被害として返ってきて宿泊産業全体に否定的な影響を及ぼさざるを得ません。どうか互いに妥協して問題がうまく解決されることを願い、ONDAもこの事例を振り返りながら常に宿泊事業主の立場で共生協力を追求し、ともに成長するために努力します。
[京郷新聞、2019.10.27、宿泊予約仲介アプリの横暴に宿泊施設「沸騰」…客室20室のモーテル、広告・手数料で毎月300万ウォン]
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