TL;DR

宿泊業における就業規則の作成・管理の実務を解説。常時10人以上の事業場で義務化される就業規則の法的要件と運用のポイント。

04. 宿泊業の就業規則管理

Writer 労務法人ソチョ チェ・チャンギュン 代表(社労士)

Editor ONDA ソ・モラ マネージャー

労務法人ソチョ

労務法人ソチョは、宿泊業労務管理における最高の専門性を持つ企業として、現在多数の宿泊事業者の労務管理、宿泊業フランチャイズ本社での講義(ヤ○○)など、宿泊業関係者の幸せな職場づくりに貢献しています。

幸せな職場が幸せな人生をつくるという信念のもと、大切な職場を共に育てる人々に労務管理に必要な情報を提供するため、本連載を開始しました。

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宿泊業における就業規則管理

従業員が増えてくると、経営者の性格や従業員との関係によって、各事業所ごとに独自の組織文化が形成されます。その中には労働条件も含まれます。たとえば、祝日手当を支給すると決めたり、近親者に問題が発生した場合は数日の休暇を与えたり、問題行動をとった場合は懲戒対象となるといった内容です。

しかし、数年かけて定着したこれらの労働条件を、雇用契約書にいちいち盛り込むのは無理があります。また、新入社員に教える業務も多い中、自社がどんな会社なのかを説明する時間を確保するのも同じく困難です。

就業規則は、こうした不便を解消するために生まれました。就業規則とは、複数の労働関係を効率的かつ統一的に管理するための会社の規則を意味します。簡単に言えば、保険契約を結ぶ際に同意する約款に似ていると考えていただければ結構です。

ただし、就業規則は使用者の会社運営方針を反映し、従業員の労働条件に関わるため、法的に遵守すべき手続きが定められています。今号では、就業規則に関する労働法の規定を見ていきます。

1. 常時労働者数10人以上の事業場で作成

韓国の勤労基準法第93条では、常時10人以上の労働者を使用する使用者に対し、就業規則の作成・届出を義務づけています。

一般的に、リゾート、中規模以上のモーテルやホテルは常時労働者数10人以上の場合が多いです。これらには就業規則の作成および届出が義務づけられ、これに違反した場合は500万ウォン以下の過料が科されます。

就業規則は使用者の会社運営方針を反映し、従業員の労働条件に関わるため、法的に遵守すべき手続きが定められています。

2. 就業規則の作成方法

就業規則は会社が作成するものであるため、重要な内容が漏れないよう、必ず記載すべき内容が法的に規定されています。

<就業規則の必須記載事項>

  • 業務の開始・終了時刻、休憩時間、休日・休暇および交代勤務に関する事項
  • 賃金の決定・計算・支払方法、賃金の算定期間・支払時期および昇給に関する事項
  • 家族手当の計算・支給方法に関する事項
  • 退職に関する事項
  • 退職給付、賞与および最低賃金に関する事項
  • 労働者の食費、作業用品等の負担に関する事項
  • 労働者のための教育施設に関する事項
  • 出産前後休暇、育児休職など労働者の母性保護および仕事・家庭両立支援に関する事項
  • 労働者の性別、年齢または身体的条件等の特性に応じた事業場環境の改善に関する事項
  • 業務上・業務外の災害扶助に関する事項
  • 職場内いじめの予防および発生時の措置等に関する事項
  • 表彰と制裁に関する事項
  • その他、当該事業または事業場の労働者全体に適用される事項

宿泊施設の経営者は、必須記載事項を反映した就業規則について、従業員の意見聴取または同意手続きを経なければなりません。ここで意見聴取および同意の対象は、労働者の過半数で組織された労働組合がある場合は労働組合の代表者、ない場合は労働者の過半数です。

作成または変更された就業規則の内容が労働者にとって従来より不利な場合は同意を、有利な場合は意見聴取手続きを経れば足ります。実は意見聴取手続きといっても、実務上、意見を伝達したことを証明するのが難しいため、両方の場合とも書面で確認を得ることが望ましいです。

3. 作成した就業規則の届出方法

作成した就業規則は、就業規則同意書、就業規則届出書(労働部様式)とともに、事業場を管轄する雇用労働部に提出します。提出すると、就業規則審査担当の労働監督官が配置され、是正事項が発生した場合は電話で是正を案内します。

ここで雇用労働部の是正は、1) 就業規則が法基準に満たないか、2) 義務的記載事項が漏れているかを主な審査基準としています。なお、就業規則の届出をしなければ過料の対象となりますが、有効に同意を得た就業規則の効力とは無関係です。

4. 宿泊業における就業規則運用時の留意事項

宿泊業の場合、従業員と使用者の間でさまざまな付帯的な約定をするケースが多いです。ダブル権などの各種インセンティブを支給する場合が代表的です。就業規則の作成が義務だからといって、すべての労働条件を就業規則に記載してしまうと、今後の柔軟な運用が難しくなる可能性があります。したがって、必須記載事項は記載しつつ、盛り込む内容を選別することが重要です。

就業規則は社内の法規と同等の効力を持ちます。従業員の雇用契約書上の労働条件が就業規則に満たない場合、就業規則が優先適用されます。したがって、雇用契約書を作成する前に、就業規則の内容と矛盾する内容がないか点検する必要があります。

最後に、就業規則は従業員に周知させ、事業場に掲示または備え置かなければなりません。これも違反すれば500万ウォン以下の過料が科されます。

以上、宿泊業における就業規則管理について見てきました。次回の連載では、宿泊業における外国人労働者管理について見ていきます。次号でお会いしましょう。

📖 連載目次

01. 宿泊業労務紛争の経路

02. 宿泊業における勤労基準法の適用範囲

03. 宿泊業における雇用契約書作成時の留意事項

04. 宿泊業の就業規則管理

  1. 宿泊業における外国人労働者管理

  2. 宿泊業における4大保険管理

  3. 宿泊業における法定義務教育

  4. 宿泊業における休日・休暇管理

  5. 宿泊業における労働時間管理

  6. 宿泊業における賃金管理(1)

  7. 宿泊業における賃金管理(2)

  8. 宿泊業における退職管理

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