TL;DR

韓国の宿泊業は2018年の法改正で労働時間特例から除外され、週52時間制の対象になった。24時間営業の現場で、休憩と待機をどう区別し、労働契約書にどう明記すべきか。労務士が実務の落とし穴を解説する。

チェ・チャンギュン労務士の宿泊業労務マスター講座

09. 宿泊業の労働時間管理

Writer:労務法人ソチョ チェ・チャンギュン代表(労務士)
Editor:ONDA ソ・モラ マネージャー

労務法人ソチョは宿泊業労務管理のトップエキスパート。 現在、多数の宿泊施設の労務管理、宿泊業フランチャイズ本部での講義(ヤノルジャ、ヨギオッテ)など、 宿泊業関係者の幸せな職場づくりに貢献しています。

幸せな職場が幸せな人生をつくる。 その信念のもと、大切な職場をともに育てる人々に 労務管理に必要な情報をお届けするべく、本連載を開始しました。

こんにちは、労務法人ソチョのチェ・チャンギュン労務士です。前回は宿泊業に適用される休日と休暇について見てきました。今回は、宿泊施設オーナーの皆さまが最も気になる宿泊業の労働時間について話を進めていきます。宿泊施設で従業員の労働時間はどう管理し、どう設定すべきでしょうか?

宿泊業は24時間営業という業種特性上、従業員の労働時間が他業種に比べて長いのが実情です。また、そのため労働時間と休憩時間の区別も曖昧になりがちで、労働時間管理が極めて重要な産業のひとつです。

さらに2018年7月1日の労働基準法改正で、宿泊業が労働時間特例業種から除外され、労働時間管理の必要性はますます高まっています。たとえば以前は、事業主と労働者代表間の_書面合意_があれば、賃金さえきちんと支払えば労働時間に制約なく勤務できましたが、今は_労働時間の制限も守らなければ_なりません。つまり以前は宿泊業オーナーは賃金未払い責任だけ考慮すればよかったものが、今は労働時間が法的基準に合っているかも考慮する必要があるのです。

そこで今回は、労働法上の労働時間付与の原則を見たうえで、宿泊業で実務的に適用する際の注意点を確認していきます。

1. 週52時間制とは?

1) 労働時間付与の原則

労働時間とは、_"労働者が労働を提供し、使用者がそれに対して賃金を支払うと定めた時間"_を意味します。つまり労働時間とは有給で賃金を支払うべき時間のことです。

この労働時間について説明すると、まず常時労働者数5人未満の事業場には**労働時間の制限が特にありません。ただし常時労働者数5人以上の事業場では、1日8時間まで、週40時間までしか労働できないようになっています。この時間を「法定労働時間」**といいます。

この法定労働時間を超える労働時間を**「延長労働」と呼びます。延長労働は当事者間の合意により週12時間まで可能です。また夜間に労働する時間もあります。夜10時から朝6時までの労働を「夜間労働」といいます。最後に休日に労働する場合を「休日労働」**と呼びます。労働基準法では、この延長労働、夜間労働、休日労働について基本賃金にそれぞれ50%を加算して支払うよう規定しています。

最後に、2018年から導入・施行された週52時間勤務制は、_週40時間の法定労働時間に当事者間合意で可能な12時間の延長労働時間を合わせた時間_を意味します。2018年7月以前は週68時間勤務制が適用されていましたが、2018年の労働基準法改正で週52時間勤務制が段階的に導入され始め、2020年1月1日からその拡大適用が施行されました。

2) 休憩時間とは?

休憩時間は労働者が始業終業時間内に自由に利用できる時間を意味します。労働時間と異なり、休憩時間は無給で設定されます。この休憩時間について労働基準法では、_労働4時間ごとに休憩時間30分以上を付与_するよう規定しています。

3) 待機時間と休憩時間の区別

休憩時間と区別が曖昧な時間に待機時間があります。待機時間は労働できるよう待っている時間を意味します。たとえば_フロント職員が客を待つ時間、清掃職員がチェックアウトを待つ時間_などは待機時間に該当します。

この待機時間を労働基準法では労働時間と見なしています。つまり有給で支払うべき時間です。

それでは宿泊施設で従業員の**休憩時間と待機時間をどう区別すべきでしょうか?**次の項で見ていきます。

2. 宿泊業への適用方法

1) 休憩時間と待機時間問題を解決するための基本要件、「労働契約書」

先に見たとおり、宿泊業で休憩時間と待機時間を区別する問題は極めて重要です。しかし実務的にこれを区別するのは非常に難しい問題です。なぜならいつが休憩時間で、いつが待機時間なのかを証明するのが困難だからです。

特に宿泊業の業種特性上、休憩時間と待機時間を明確に区別するのは現実的に困難な場合があり、結局紛争発生の可能性を減らすことがベストな選択になり得ます。

このとき紛争発生の可能性を減らすには、休憩時間と待機時間について相手方に立証責任を負わせるのが最も有利でしょう。ここで鍵となるのが労働契約書です。労働契約書に休憩時間と待機時間が明確に区分されていれば、その労働契約書を否定する相手方が労働契約書の記載が誤りであることを証明しなければならないでしょう。そのため_宿泊業事業主の立場では、労働契約書上の休憩時間を明確に記載しておくことが重要です。_

また実際にその労働契約書どおりに休憩時間を保障する必要がありますよね。実質的に労働者の休憩時間を保障するには、休憩場所、代替人員投入など、労働時間と休憩時間を最大限区別することが望ましいです。

休憩時間と待機時間関連の紛争を最小化する方法

1. 労働契約書に休憩時間を明確に区分して作成 2. 休憩時間を考慮した賃金計算方法、構成項目が最低賃金以上になるようにする 3. 休憩時間反映時、延長・夜間・休日労働手当が法基準以上になるよう反映 4. 実際の休憩時間が保障される方案を用意(無人機器導入、看板設置、代替人員使用など) 5. 指定客室または休憩室、建物内食堂など執務空間以外に休憩場所を用意し利用できるよう措置

2) 24時間隔日勤務者の労働時間制限違反問題

小規模運営の5人未満事業場では労働時間制限がないため、隔日勤務者を使っても労働時間制限違反の責任はありません。

ただし5人以上事業場では週52時間制が適用されるため、事実上24時間隔日制で運営するのは困難です。そのため宿泊施設の勤務を3組2交代勤務に変更するか、労働者の休憩時間が労働時間基準に合うよう労働契約書などをしっかり作成しておく必要があります。

おわりに

最近宿泊業で最も多く発生している紛争事例は、このように休憩時間と待機時間の区別が曖昧なために生じる問題です。もし労働契約書がきちんと備えられており、無人機器設置など休憩時間保障を証明できる資料があれば、このような紛争を最小限に抑えられます。

今日ご案内した内容をしっかり把握して、成功的な宿泊事業を運営していってください。

次回は宿泊業労務の核心である賃金について見ていきます。ありがとうございました。

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