宿泊業は24時間営業ゆえに時間外手当の計算が複雑だ。通常賃金と平均賃金の違い、包括賃金制の正しい設計法まで、韓国の労務士が現場で使える賃金管理の基礎を語る。
チェ・チャンギュン労務士が語る、宿泊業の労務管理攻略法
10. 宿泊業の賃金管理(1)
Writer : 労務法人ソチョ チェ・チャンギュン代表(労務士)
Editor : ONDA ソ・モラ マネージャー
労務法人ソチョは宿泊業の労務管理における最高の専門性を持つ会社として、 現在、多数の宿泊施設の労務管理、宿泊業フランチャイズ本社での講義(ヤノルジャ、ヨギオッテ)など、 宿泊業関係者の幸せな職場づくりに貢献しています。
幸せな職場が幸せな人生を作るという信念のもと、 大切な職場を一緒に育てる皆さまに 労務管理に必要不可欠な情報を提供したく、この連載を始めました。
こんにちは、労務法人ソチョのチェ・チャンギュン労務士です。前回のコラムでは、宿泊施設における従業員の労働時間をどのように管理し、どのように付与すべきかについてお話ししました。労働時間管理と並んで、宿泊業の労務管理で欠かせないものは何でしょうか?
それは賃金です。賃金とは、使用者が労働者に労働の対価として支払う性質の金品を意味します。賃金は労働者にとって労働の目的であるため、労務管理において非常に重要です。だからこそ、労働法でも賃金管理に関する複雑な基準が設けられているのです。
そこで宿泊業の賃金管理について2回に分けて、賃金管理の全体像をご説明します。今回はまず通常賃金と平均賃金を中心に解説し、次回は最低賃金に関する内容をご案内します。
1. 通常賃金と平均賃金の概念
宿泊業の労務管理に詳しくない事業主の方でも、通常賃金と平均賃金については耳にしたことがあるかと思います。それほど賃金管理において重要な概念が、この通常賃金と平均賃金なのです。
まず通常賃金とは、_「労働者に対して定期的、一律的、固定的に所定労働または総労働に対して支給することが定められた時間給・日給・週給・月給または出来高給額」_を指します。
また平均賃金は、_「これを算定すべき事由が発生した日以前3ヶ月間にその労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額」_を意味します。
法的な概念なので、これだけでは難しく感じられるかもしれません。理解していただくために、それぞれの賃金の使い道について見ていきましょう。
2. それぞれどこに使われるのか?
まず通常賃金は、簡単に言えば**「労働者が通常いくら支給されることになっているか?」**の答えです。つまり、_あらかじめ支給されることが確定している時給や月給がいくらか_を示すものです。
通常賃金は結局、時間給の金額を計算し、次のような算出基礎として活用されます。
・時間外労働手当、夜間労働手当、休日労働手当 ・週休手当 ・年次有給休暇手当
次に平均賃金は、「この労働者が普段受け取っている給与はいくらか?」の答えに該当します。つまり、あらかじめ支給されることが決まっている月給ではなく、_実際に支給される月給を日給に換算した金額_です。したがって、ここには通常賃金を通じて計算した時間外、夜間、休日などの時間外手当がすべて含まれるわけですね。
この平均賃金は、次のものを算出する基礎となります。
・退職金 ・災害補償金(労災発生時) ・休業手当
ここまで2つの賃金の概念と使い道を見てきました。簡単に考えると、通常賃金は時間外手当を計算する賃金計算方式を、そして平均賃金は退職金を計算する計算方式を意味すると考えればよいでしょう。
3. 時間外手当の計算方式
宿泊業は24時間運営という業務特性上、時間外手当の算定が重要です。時間外手当が発生する方式は次の通りです。
・時間外労働手当:1日8時間、1週40時間を超える時間について1.5倍加算 ・夜間労働手当:夜10時から朝6時までの労働について1.5倍加算 ・休日労働手当:労働法上の休日労働について1.5倍加算
4. 包括賃金制とは?
先ほど申し上げた通り、宿泊業では時間外手当が日々発生するため、毎日発生する時間外手当を算定するのは困難です。 したがって、このような場合には労働契約書であらかじめ時間外手当を含めて約定する方式の契約も可能です。
このように労働契約締結時に法定基準労働時間を超過した時間外、夜間労働などが予定されている場合、計算の便宜のため労使合意に基づいて時間外、夜間、休日手当をあらかじめ定め、毎月給与と一緒に支給する賃金算定方式を包括賃金制と言います。
ただし、時間外手当を労働契約書に記載する際、何時間分の時間外手当があらかじめ含まれているかを計算しておく必要があります。 この部分は正確に計算する必要があるため、専門家の助けを借りることをお勧めします。
以上で宿泊業の賃金管理第1回を終わります。通常賃金と平均賃金に関する疑問が解消されたことを願いつつ、次回は賃金管理の中でも最低賃金に関する内容を見ていきたいと思います。ありがとうございました。
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