紅茶をおいしく淹れる方法を、ティーソムリエが実践的に解説。アイスティーの急冷法・冷浸法から、ストレートティーの基本まで。宿泊施設の特別な一杯に。
05. 紅茶の話 (3) — 紅茶をおいしく飲む方法
文: ティーソムリエ イム・ウンへ(Tea Grace ブランドマネージャー)


執筆者紹介 イム・ウンへ - ティーソムリエ研究院 ゴールドコース修了 - カフェフランチャイズ、個人店舗のドリンクメニューコンサルティング - TEA製品生産コンサルティング - ミルクティー・ティーエイド ワンデイクラス及び企業向け講義 - オンラインストアファーム運営、ブログ及びMAGAZINE ONなどでTEA関連コラム連載

Photo by Bundo Kim on Unsplash
こんにちは、Tea Graceです。クリスマスと年末、よくお過ごしになりましたか? 韓国のTEA市場は冬が繁忙期、夏が閑散期なので、私は忙しい冬を送っています。年末は忘年会も多かったと思いますが、飲み過ぎた後の二日酔い解消に役立つ紅茶、きちんと飲んでいますか? 紅茶にどんな効能があるか思い出せない方は、前号のマガジンONをご参照ください。紅茶の詳しい効能と製品について熱心に記録しておきましたから。
今日は前回お伝えしきれなかった**「紅茶をおいしく飲む方法」**について詳しくお教えします。
アイスティーをおいしく飲む方法
まずはアイスティーをおいしく飲む方法からご紹介します。アイスティーを作る方法は大きく2つに分けられます。1つ目は茶を熱く抽出した後、氷を使って冷やす急冷法、2つ目は冷たい水に長時間茶葉を浸けて抽出する冷浸法です。
まず急冷法とは、文字通り急速に冷却する、つまり氷を使って紅茶を一気に冷やす方法を指します。急冷法でアイスティーを作る方法は、チェリー・ジュビリー・ブラックティーを例に説明します。
チェリー・ジュビリー・ブラックティーは、紅茶ベースにイチジク、チェリーをブレンドした甘いチェリーの香りの紅茶です。こうした香り付き紅茶はアイスティーにしても魅力的なのですが、これをアイスティーに淹れると透明な黄色または茶色の茶になります。ちなみに紅茶は覚醒を助けるため、眠気を感じる午後にアイスティーや温かいお茶で楽しむのもおすすめです。
600mLのチェリー・ジュビリー・ブラックティーのアイスティーを急冷法で作るなら、300gの氷と300mLの熱いお茶が必要です。

ティーポット(急須)をしっかり予熱するかしないかで、お茶から立ち昇る香りの差が大きいので、必ず予熱を先に行ってください。(Photo by Tim Arterbury on Unsplash)
さて、ここからささやかだけれど重要なコツをお教えします。お茶を淹れるティーポット(急須)は、常に温めておかなければならないということです。その理由は、ティーポットに沸かしたお湯を注いだとき、お茶を抽出するまでの湯温が下がるのを防ぐためです。またティーポットをしっかり予熱するかしないかで、お茶から立ち昇る香りの差が大きいので、必ず予熱を先に行ってください。
カフェ店舗などではティーポットをコーヒーマシンの上に少し置いて予熱することもありますし、コーヒーマシンのない一般家庭では熱湯をティーポットに2分ほど注いでから捨てる方法を活用できます。
今のような寒い冬は、ティーポットもすぐ冷えてしまうので、お茶を淹れる前に必ずティーポットの予熱を先に行うと、お茶をより美味しく楽しめます。予熱はどんなお茶を飲むときも同じです。ハーブティー、フルーツティー、ルイボスティーなど、すべての種類のお茶を淹れる際も上記と同じように最初にティーポットを予熱すると良いでしょう。ティーポットを予熱したら、お茶を注いで飲むカップも同様の方法で順に温めます。

紅茶ベースにイチジク、チェリーをブレンドした甘いチェリーの香りの紅茶「チェリー・ジュビリー・ブラックティー」
ティーポットとカップの予熱が終わったら、秤で茶葉の重量を測ります。茶葉の重量を測るときは、秤の上にお茶を淹れるティーポットを置き、そこに茶葉を入れながら測ればいいのです。秤がない場合はティースプーンで2〜3杯ほど茶葉をすくえばいいのですが、私はほぼ秤を使ってお茶の重量を正確に測る派です。
0.01gまで測れる超微細秤もいいですし、0.1g単位で測れる微細秤もいいでしょう。料理をするときも正確な計量で味が左右されるように、お茶もまた茶葉の重量と水の比率によって香りと味が変わるからです。
そして茶葉を入れる前に、乾いた葉の香りを一度嗅いでから、香味について記録してみてください。水で淹れる前後の感じが似ているお茶もありますが、香り付き紅茶の場合、この感じがかなり違うことがあるからです。個人的には濡れた茶葉の香味に惹き込まれて抜け出せなかったこともあるので、このプロセスをぜひお試しいただくことをおすすめします。

お茶を熱く淹れた後、氷を使って冷やす「急冷法」
通常、紅茶は3gで1杯分ほどを計量することをおすすめしていますが、これは法則ではありません。1g、2gもすべて可能です。下で詳しく説明しますが、お茶は3分ほど抽出すると、お茶が持つ多様な味を感じられるため、一般的にお茶を淹れる時間は3分をおすすめします。ただし個人の好みに応じて4分、5分以上淹れることも可能です。3分ほどお茶を淹れている途中、茶葉がよりよく開くようにバースプーンを使ってティーポット内を一度かき混ぜます。こうしてチェリー・ジュビリー・ブラックティーを熱湯で淹れると、チェリーの香りと甘いイチジクの香りが立ちます。
お茶はしっかり淹れたけど、さてアイスティーはどうやって作るのかって? アイスティーの作り方は非常に簡単です。まず3分経ってお茶がしっかり出たら、茶葉を濾します。次は茶葉を濾した熱いお茶と氷を1対1の比率で用意します。上で述べたように水が300mLだったら、氷も300gを準備すればいいのです。氷と沸騰水を1対1で入れると、アイスティーがちょうどいい温度に仕上がるのですが、もしアイスティーにフルーツシロップやハチミツのような副材料を混ぜて飲みたい場合は、冷水には溶けにくいので、お茶が熱いうちにあらかじめ入れて溶かしてから、アイスティーにするのが良いでしょう。このように抽出した熱い紅茶を氷の入った容器に注げば、アイスティーの完成です。熱いお茶と氷が1対1の比率で、あらかじめ容量を計算しているので、容器が溢れることなく注げます。こうしてお茶と氷が混ざり、氷が完全に溶けると、私たちが飲むのにちょうどいい温度の冷たいアイスティーが完成します。簡単でしょう?
次は冷浸法でアイスティーを作る方法をお教えします。冷浸法とは、冷たい液体でお茶をゆっくり抽出する方式を指します。冷浸アイスティーは、先ほど学んだ急冷法のアイスティーより時間はかかりますが、より簡単な方式でアイスティーを作ることができます。熱湯を使って作ったアイスティーよりまろやかな味と香りを持つのが、この冷浸アイスティーの特徴です。水とお茶の中間くらいのまろやかな味と言えるでしょう。お茶はすべての温度でよく出ますが、水の温度が低いほどまろやかな味になり、水の温度が高いほど濃く強い味になります。

大小のシナモン片と、カナダの甘いメープルの香りをまとわせた、甘く渋い魅力を感じられる「メープル・チャイ・ブラックティー」
冷浸アイスティーの作り方は、クリスマス・ブレンディングティーとして発売されたメープル・チャイ・ブラックティーで実習してみます。とても簡単な方法なので、よく付いてきてください。
まず冷たい水500mLとTea Graceのメープル・チャイ・ブラックティーのティーバッグ2個(5gほど)を準備します。そして冷たい水に用意したティーバッグを入れるだけでいいのですが、これを冷蔵庫に入れて5〜6時間そのまま置けば、冷浸アイスティーが完成します。

冷たい水に長時間茶葉を浸けて抽出する「冷浸法」
沸騰水でお茶を淹れたときにお茶から引き出せる味が100%だとすると、冷たい水のような低い温度ではその味が弱く出ます。そのためまろやかな紅茶を楽しみたい方は、冷浸法でほんのり出た澄んだ紅茶を試してみるのも良いでしょう。ちなみに、冷浸法で紅茶を淹れて冷蔵庫に入れるときは、横にして保管してください。
ストレートティーをおいしく飲む方法
最後にお教えする方法は、私たちが紅茶を思い浮かべるときに最も基本的に知っている、**温かく飲むストレートティー(Straight tea)**です。ストレートティーを淹れる方式は、先ほど急冷法のアイスティーを説明した際、最初にお茶を淹れる方式と同じです。
これもアイスティーと同様、秤で茶葉の重量を計量します。最も基本的だけれど重要なのが、まさにこの重量測定なのですが、先ほども申し上げたように、同じ重量を使ってこそ同じ味が出せるからです。またぬるま湯や温かい水ではなく、ぐつぐつ沸いたお湯を使わなければなりません。茶葉を淹れる水の温度が高ければ高いほど、茶葉から香りと味を引き出せるエネルギーが生まれます。60度以下の湯温では、お茶の水溶性成分だけが出るため、お茶に含まれる良い成分と固有の香りをそのまま感じるには、湯温を必ず合わせることが必須です。
冷たいティーポットに入れるとお湯がすぐ冷めるので、ティーポットを温かく予熱し、カップがあればカップもしっかり温めます。そしてティーポットを秤に乗せ、茶葉2.5gを入れ、熱湯250mLを注ぎます。
お茶は1分では出ない味があり、2分では滲み出ない香りがあります。3分ほどになってようやく甘味、うま味、香ばしい味と渋みなど、味のバランスが取れたお茶が抽出され始めます。好みによって1分だけ淹れて飲んでもいいですが、3分ほど経つと茶葉の味がより濃く出たお茶を飲めるので、3分をおすすめします。またお茶を淹れて4分、5分、10分、20分ほど時間が経つと味がだんだん濃くなるので、濃い味が苦手な方は3分ほど経った後に茶葉を濾して飲むと良いでしょう。通常、韓国人の口には3〜5分をおすすめします。

ストレートティーを淹れる方法
そして抽出したお茶を温めたカップに注ぎます。実はここで3分だけお茶を淹れるのは、ひとつの基準に過ぎません。紅茶の味を規定する際、ひとつの一般的な基準を決めて楽しむ方法なのです。薄く飲もうが、濃く飲もうが、個人の好みに応じて淹れて飲めばいいのです。最初は味を感じるポイントが非常に狭いため、過度に渋くもなく、薄過ぎもしない、本来の紅茶の味を感じられる3分ほどで作れるよう説明しました。
紅茶を淹れることに慣れるまでは、ある程度時間を計りながら作る必要があり、味のストライクゾーンに入りやすくなります。お茶を淹れる行為に慣れてくると、特に時計を見なくても自分なりの基準ができて、薄くしても美味しく、濃くしても美味しいお茶を楽しめるようになります。
今日はこのように紅茶を美味しく飲む様々な方法について詳しく見てみましたが、次回は各国の紅茶について見ていく時間を持ちたいと思います。温かい紅茶一杯とともに、幸せな年初をお過ごしください。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash
[連載目次]
2019. 01 紅茶の話 (3)
2019. 02 紅茶の話 (4)
2019. 03 紅茶の話 (5)
2019. 04 紅茶の話 (6)
2019. 05~ 緑茶の話
