賃貸物件でAirbnbを運営すると、保証金返還時に落とし穴がある。「居住」義務を無視すれば商業用転用とみなされ、家賃は何倍にも跳ね上がる。シン・ユル弁護士が明かす、見落としがちな法的リスク。
05. 賃貸物件でのAirbnb運営:賃貸契約終了時に起こりうる問題
Writer 弁護士 シン・ユル
Editor ONDA ソ・モラ マネージャー


シン・ユル法律事務所
弁護士シン・ユル法律事務所は現在、京畿・仁川地域を中心に宿泊業、シェアリングエコノミー分野の専門性を備え、多様な法律サービスを提供しています。
今回のコラムを通じて、これまで顧客から受けた相談経験を基に、宿泊業の開始・運営における大小の法律上の争点と解釈を少しだけ軽く紹介する連載を始めることになりました。
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賃貸住宅を利用したゲストハウスとAirbnb
こんにちは、弁護士シン・ユルです。外国人観光都市民泊業を基盤にAirbnbやゲストハウスを運営する方々が徐々に増えています。
ゲストハウス運営において、宿泊業主は自己所有の住宅やアパートなどを利用する場合も多いですが、賃貸住宅を利用して宿泊施設を運営される方もかなりいらっしゃいます。こうした賃貸住宅などを利用したゲストハウスは、持ち家に比べて少ない費用でゲストハウスの創業と運営に挑戦できるという点で大きなメリットがあります。
しかし現行法上、都市でゲストハウスを運営するには、いくつかの特殊なケースを除いて外国人のみを対象とするゲストハウスのみが可能で、これは観光振興法上「外国人観光都市民泊業」に分類されます。
そこで今回の記事では、このような外国人観光都市民泊業に分類されるゲストハウスやB&Bを賃貸不動産を利用して運営する場合に発生する様々な問題のうち、賃貸契約終了時に保証金返還などで起こりうる問題について簡潔に述べたいと思います。
外国人観光都市民泊業の「居住」要件
現行の観光振興法施行令では以下のように、
第2条(観光事業の種類) ①「観光振興法」(以下「法」という)第3条第2項により、 観光事業の種類を次のとおり細分する。
ヘ. 外国人観光都市民泊業:「国土の計画及び利用に関する法律」第6条第1号による 都市地域(「農漁村整備法」による農漁村地域及び準農漁村地域は除く。以下この条において 同じ)の住民が自身が居住している次のいずれかに該当する住宅を利用して 外国人観光客に韓国の家庭文化を体験できるよう適した施設を備え宿食などを 提供(都市地域で「都市再生活性化及び支援に関する特別法」第2条第6号による 都市再生活性化計画に従って同条第9号によるマウル企業が外国人観光客に優先して 宿食などを提供しながら、外国人観光客の利用に支障を与えない範囲で当該地域を 訪問する国内観光客にその地域の特性化された文化を体験できるよう宿食などを 提供することを含む)する業
1)「建築法施行令」別表1第1号カ目またはダ目による単独住宅または多家口住宅
2)「建築法施行令」別表1第2号カ目、ナ目またはダ目によるアパート、連立住宅または多世帯住宅
外国人観光都市民泊業の要件として運営者の「居住」を必須としています。つまり、必ずしも住宅などが自己所有である必要はないものの、その建物の目的は運営者が必ず居住すべき「住居」として使用することを求めています。
結局、原則的に賃貸した住宅などで運営者本人が居住するなら、そこで生活しながら事業者登録をしてゲストハウスを運営することは十分可能です。
賃貸不動産に運営者が実際に居住しない場合に起こりうる問題
賃貸不動産を利用してゲストハウスを運営する際には、前述のとおり運営者本人が当該宿泊施設に住みながら宿食を提供する一般的な形態の運営方式になるべきです。ところが、単純に住宅を賃貸して本人が居住せず、外国人に宿泊のみを提供する方式を考える人もいます。しかしこれでは、やはり様々な問題が発生する余地が十分にあります。
ア. 住居用建物と判断されない可能性があります。
韓国の大法院は、住宅賃貸借保護法上の住居用建物を判断する基準について、次のように
住宅賃貸借保護法第2条所定の住居用建物に該当するか否かは、賃貸借目的物の公簿上の 表示のみを基準とするのではなく、その実際の用途に従って定めるべきであり、また本件の 場合のように建物の一部が賃貸借の目的となり住居用と非住居用で兼用される場合には、 具体的な場合に応じてその賃貸借の目的、全体建物と賃貸借目的物の構造と形態及び 賃借人の賃貸借目的物の利用関係、そして賃借人がそこで日常生活を営んでいるか 否か等をあわせて考慮して合目的的に決定すべきである (当院1988.12.27.宣告87ダカ2024判決参照)。
住居用、非住居用建物が兼用される場合、賃貸借の目的、賃借人がそこで生活を営んでいるか否かなどその「実際の用途」を考慮しています。上記判例の事実関係を見ると、1980~90年代頃、建物自体に一部住居部分があり、一部は売店、美容室などの営業用部分が混在した場合、住居用建物の判断基準が何かを示したものです。
ただし、現行ゲストハウスの登録要件に従って上記判例基準を適用する際、公簿上の基準が住居建物の要件を満たしていても、運営者の居住なく単純に宿泊営業用にのみ利用するなら、これを住居用建物と見なさない懸念が存在します。つまり、運営者自身が日常生活を営む住居空間の一部をゲストハウス用途に利用することは問題ありませんが、他の場所に居住しながら専らゲストハウス運営にのみ利用しているなら、都市民泊業上の住居要件を満たしていないと解釈される可能性があるからです。
イ. 賃貸借契約終了後、保証金返還において問題が発生する可能性があります。
韓国では住居生活の安全のため、住宅賃貸借保護法を通じて住宅賃借人の保証金を特別に保護しています。特に住宅の引渡しと住民登録要件を満たしていれば対抗力を取得し、確定日付まで受ければ保証金に対する優先弁済権まで確保できます。
用語が少し難しいですが、外国人観光都市民泊業を論じるこの記事で住宅賃貸借保護法を説明する理由は、外国人観光都市民泊業が**「居住」を要件としているため**です。そして賃貸住宅のゲストハウス運営者が対抗力、確定日付などを確保すれば、彼らも住宅賃貸借保護法の住宅賃借人として法の保護を受けることができます。
そもそも実際に居住しない住宅などで外国人ゲストハウスを運営することは、外国人観光都市民泊業の登録要件を満たしません。結局、転入届と住民登録をしなければゲストハウス運営ができません。
これにより、もし宿泊業主が外国人観光都市民泊業登録をしてそのゲストハウスを運営しているなら、運営者名義で転入届が行われているでしょう。ところがその運営名義者がゲストハウスで実際に居住していないなら、これは私たちが一般に知っている偽装転入をしたと見なされる余地が十分にあります。したがって住民登録法違反で処罰される可能性があるのはもちろん、強力に保証金を保護する手段である住宅賃貸借保護法上の対抗力要件も満たさない結果となります。
もう一つ加えると、韓国の判例によれば、家族が住宅に居住し住宅賃借人のみが一時的に住民登録地を移転した場合、対抗力喪失を認めないとしています。しかしだからといって、本人または家族などの居住なく、本業または副業として専ら都市民泊業を営むために単純に住民登録のみを移転しておいたのであれば、後に賃貸人に保証金返還を請求する際、困難な状況に置かれる可能性があります。
つまり、保証金の一部に対する最優先弁済権や確定日付があるため、後順位担保権者より優先して確保した順位が無効化される可能性もあります。賃貸人の立場では自身がゲストハウス運営に同意して異議を唱えないとしても、その住宅に利害関係を持つ賃貸人の債権者たちは、上記の事実を知れば当然これを問題視するでしょう(特に、住宅に対する競売などが執行され配当手続きなどが進行する場合)。ですので、常に起こりうるすべての問題を事前に考え対処する必要があります。

運営者の居住なく単純に宿泊営業用にのみ利用するなら、これを住居用建物と見なさない懸念が存在します。
ウ. 各法律の趣旨にも合致しません。
住宅賃貸借保護法は「国民の住居生活安定」という趣旨に従って賃借人を強力に保護する法律です。そして外国人観光都市民泊業を許可する趣旨は、訪韓外国人が韓国の家庭文化などを体験できるようにし、地域の観光産業発展にも寄与することです。
この面で両法律の立法趣旨間の衝突はなく、宿泊施設運営者の住居要件を満たさない都市地域の外国人ゲストハウスは、法律が定めた趣旨にも合致せず、住居または営業として保護を受けることに限界が存在するほかありません。
結 語
実際、前述の問題はやや学術的であり、実際の偽装転入取り締まりが難しいのも事実です。しかし賃貸住宅を利用したゲストハウス運営は賃貸人の同意要件が必要なため、賃貸人がこのような諸般の事情をよく知っている可能性があり、ゲストハウス運営の特性上、多様な外国人が住宅を出入りするため、近隣住民との葛藤も当然発生する可能性があります。
これにより、上記のような問題が浮上すれば、賃借人の立場では相当困難な立場に置かれる可能性があります。ですので、ゲストハウスの運営において様々な諸般の事情を考慮し決定する過程を必ず経ることをお勧めします。
ここまでシン・ユル弁護士の身近な法律ストーリーコラムをお読みいただきありがとうございました。次回はより新しい宿泊業法律ストーリーで戻ってきます。ありがとうございました。
[連載目次]
2019.12 賃貸不動産を利用したAirbnb運営:賃貸契約の終了時に発生する問題
