Revenue Management、客室価格の設定だけでは不十分?
レベニューマネジメントのすべて (2)
収益アップのためのRevenue Management
6つの戦略

前回の第1編では、Revenue Managementの意味とホテルにおけるRMの重要性について解説しました。今回は、実際に自社ホテルで試せるRevenue Management戦略を見ていきましょう。
成功するRevenue Managementの6つの戦略
*グローバルホスピタリティソリューション企業「Cloudbeds」が提示する6つの戦略を参考に作成しました。

1. Dynamic Pricing(動的価格設定)
よく知られているとおり、需要と供給に応じて客室料金を柔軟に変更する手法です。通常、需要が高まるほど価格を上げます。
「自社ホテルを中心に、周辺宿泊施設の稼働率や単価をチェックしながら料金を調整し、どの価格帯で最も予約が入るかを検証する必要があります。繁忙期や閑散期でなくても、突然予約が殺到したり激減したりすることがありますから。同じエリア内の競合ホテルの料金は、毎日のように見ていました(笑)。
ただし、周辺宿泊施設の料金に追随するだけではダメです。単価や稼働率が高い状況で、周辺が自社より安いからといって値下げすれば、料金戦略が崩壊してしまいます。また、稼働率が高くても、以前の予約を安く販売していた可能性があるため、残りの稼働を埋めるために無条件に値下げするのではなく、ホテルの状況に応じた判断が必要です。
つまり、継続的にデータを蓄積し、そのデータが適切かを検証し続けるプロセスが必要なんです。一つの料金戦略に固執するよりも、柔軟に運用する方法をお勧めします。稼働率に応じた料金表を作成したり、小さな単位(例:1,000ウォン)で料金を調整したり、さまざまな試行以上に良い方法はありません。(Myrrine、ONDAグローバルチーム)
2. Set Stay Restrictions(滞在制限の設定)
客室価格を調整せず、滞在期間をコントロールする方法でも、より高い売上を引き出せます。代表的なのは、最低宿泊日数を設定して連休のような需要の高い日の前後(shoulder dates)でも稼働率を維持するMinLOS(minimum length of stay)、特定日のチェックインを制限してより高い収益をもたらす団体や法人顧客への対応に余裕を持たせる**CTA(Closed to arrival)**などの手法です。
3. Manage Booking Channels(予約チャネルの管理)
ホテルを予約する経路は、OTA(Online Travel Agency)、法人提携、公式サイトからの直接予約など無限にあります。収益を最大化するには、流通チャネルごとに異なる価格戦略を展開する必要があります。
最も簡単な方法は、全チャネルの価格戦略を把握し、利益率や割引率などを考慮して「どれだけ収益性をもたらすか」に応じて3〜4つのグループに分けることです。需要が高まれば、最も収益性の低いチャネルは予約を停止するなど、需要変化に合わせて柔軟にアプローチする必要があります。
4. Managing groups & corporate business(団体・法人ビジネスの管理)
団体や法人の訪問は必ず高い収益をもたらすのでしょうか? 同じ数の客室を一般旅行客向けに販売した場合と比較して、どちらがより有利かを分析する必要があります。
「通常、インバウンド旅行会社の団体や法人向けには、オンライン販売価格より安い価格で大量に販売するため、稼働率は高くても収益性が落ちることがあります。また、法人予約はリードタイムが長いため、チェックイン日が近づいて突然キャンセルが発生すると、多くの空室をオンライン販売で埋めなければならないというプレッシャーが大きいんです。(Myrrine、ONDAグローバルチーム)

Revenue Managementは主にADR1、RevPAR2などの指標で成果を測定しますが、RevPAR基準では良好でも、GOPPARの観点ではマイナスになる状況が発生する可能性があるため、TrevPAR3、GOPPAR4などの指標も併せてチェックする必要があります。
稼働率と収益性の両方を実現できれば理想的ですが、それは容易ではありません。結局、どちらにより価値を置くかはホテルの選択次第ですね。
- ADR(Average Daily Rate) 販売客室平均単価
- RevPAR(Revenue Per Available Room) 客室あたり収益
- TrevPAR(Total Revenue per Available Room) 客室あたり総収益
- GOPPAR(Gross Operation Profit per Available Room) 客室あたり総営業利益
5. RMS(Revenue Management System)
第1編で述べたとおり、グローバル大手ホテルチェーンはすでに独自のRMSを構築し、効率的に需要を予測し、収益を最大化する価格を導き出しています。しかし、すべてのホテルが独自システムを構築するのは困難なため、OTA Insight、IDEASなどのRMSサービスを活用するケースも多いです。

「RMSの最大の利点は、時間を節約できることです。実際にホテル勤務時代にRMSサービスを利用したことがあるのですが、以前はOTAごとにログインして周辺宿泊施設の料金を一つひとつ確認していたんです。でもRMSを使うと、チェックしたいホテルと販売チャネルを選ぶだけで、すべての料金を一度に表示してくれるんですよ。また、国別の祝日や連休などを確認できる機能も、需要予測に大いに役立ちました。
ただし、細かい部分では差異が生じることもありました。例えば、Agoda(アゴダ)にアクセスしてメンバーシップ適用価格を確認すると、RMSで表示される価格と少し異なる場合があるんです。最も正確なのは直接確認することですが、需要や料金相場を分析する時間を大幅に削減してくれるのがメリットでした。(Myrrine、ONDAグローバルチーム)
6. Direct booking(直接予約)
D2C(Direct to Customer)の重要性は何度も強調してきましたが、顧客情報を通じてカスタマイズされたサービスを提供できるだけでなく、Revenue Managementの観点からも、販売チャネルに手数料を支払わず高い利益率を残せる点で効果的です。
もちろん、新しい、より多くの顧客を獲得するためにOTAのような販売サイトを経由するのは、選択ではなく必須になっています。ただし、公式サイトで予約する顧客に特典を提供する方式で「自社の顧客」に変えることができれば、長期的な視点でロイヤルティの高い顧客を確保できます。
💡 この他にも、**SaaSベースのPMS(Property Management System)**を利用してコストを抑え、迅速なアップデートで業務効率を高めたり、SNSやレビューでホテルの評判を管理することも、ホテル全体の収益を考えるRevenue Managementの観点から注目すべきポイントです。
コロナ後、何が変わったのか
コロナパンデミックは、まさに激変の時代でした。コロナの状況に応じて需要は刻々と変化し、予約パターンも以前とは大きく異なる様相を見せました。
これまで過去データに依存していたのが、コロナ後はリアルタイムデータを把握し、未来を予測することが必要になったのです。
また、コロナ後、オンライン販売市場が急成長しました。ONDAのデータによると、ホテルのオンライン取引額は前年の_2021年比150%以上増加_したことが明らかになっています。
「コロナ後、オンライン市場が急速に成長したため、オンライン販売チャネルの料金決定が重要になっています。
ライブコマースやホームショッピングでチケット形式で宿泊券を販売するのも、コロナ後に始まったトレンドです。実際、大手ホームショッピングチャンネルで実施したところ、1時間で9000室近く販売された経験があります。ただし、限られた時間のみ割引する方式なので、魅力的に感じて予約したものの後でキャンセルするケースもあり、特にホームショッピングチャンネルは手数料が高いため、メリット・デメリットが明確です。これも収益性と稼働率の間で検討が必要です。(Myrrine、ONDAグローバルチーム)
今後のRMの役割と必要な能力
Revenue Managementは時代とともに手法は変わっても、本来の意味である**「限られた在庫と資源の中で収益を最大化するためにあらゆる方法を考える」**ことは変わりません。重要なのは、客室価格だけに集中するのではなく、ホテルをはじめとする全体的な状況を多角的に洞察する能力です。
「何よりもRMマネージャーにはデータを分析し解釈する能力が重要です。いつでも頭の中にデータがある状態を保つ必要があります。(Myrrine、ONDAグローバルチーム)
また、先ほど法人訪問の場合、収益性が落ちる可能性があると述べましたが、RM的観点で収益に貢献しなくても、データが示さない部分が存在する可能性があります。顧客の再訪可能性や付帯収益創出のように。
したがって、担当部署と積極的にコミュニケーションを取り、広い意味で**「ホテル」という製品を「マーケティング」する役割**を担っているとも言えるでしょう。
Myrrine キム・ミソ
約6年間、ソウルの5つ星ホテルで予約、セールス、RMなど様々な業務を担当。ONDAに合流後、ホテルでの経験を活かし、現在はグローバルチームで様々な海外宿泊施設のオンライン販売と収益創出に尽力している。
参考資料
- Cloudbeds, "Revenue Management", https://www.cloudbeds.com/articles/revenue-management-guide, 2023.03.27