グレードと規模を決めたら、次は運営方式だ。直営か委託か、フランチャイズか。ホテルは変動性が高く固定費が重い事業なので、選択が収益を左右する。韓国の現場で使われる4つの運営方式を実例とともに整理する。
06. ホテルの運営方式
文 ポトロック (https://brunch.co.kr/@nicejty0)
暑さが引く気配を見せない熱い夏です。人間は適応の動物というのに、猛暑と熱帯夜には適応できませんね。本格的な休暇シーズンが始まりましたが、観光地は例年より閑散としています。その代わり暑さを避けてデパートやスーパーなどの室内を訪れる人がぐっと増えました。
暑さはホテル業界にどんな影響を与えたのでしょうか? 観光地のホテルは稼働率が減った一方、都心で「ホカンス(ホテル+バカンス)」を楽しむ人が増え、都心ホテルが相対的に好調です。
ホテル業は天候以外にも政治、経済、国際外交、社会的イシューなどによって変動性が非常に大きい業種です。さらに初期投資費(ホテル新築)と運営上の固定費(人件費など)が多くかかり、収益を上げるのは容易ではありません。
このような困難を乗り越えて収益を出すためには、事業者が自分の状況に合った運営方式を選ばなければなりません。そこで今日はホテルの運営方式について見ていきたいと思います。

ビジネスホテルibis(イビス)の小ぢんまりした客室。
読者の皆さんがホテルを開発する事業主だと仮定してみましょう。ホテルを建てられる土地と資金は確保されている状態です。まず最初にどんなホテルを建てるかを決めなければなりませんね。

ラグジュアリー級ホテルなら

こんな施設を期待されますよね?
つまりホテルの**グレードと規模を決定しなければなりません。**これは市場分析とターゲティングを通じて導き出されます。市場規模と潜在顧客の特性が分析されれば、ホテルのグレードをどのレベルにするか(例:ラグジュアリー級、ビジネス級、バジェット級など)、どの程度の規模で開発するか(通常客室数で測ります)などを決めることになります。
まず最初に、ホテルのグレードを決定し、これに適した導入施設とインテリアレベルを定めます。
ラグジュアリー級なら、客室サイズもスタンダード客室基準で26〜33㎡はなければなりません。レストランも種類別に3つ以上備えなければならず、付帯施設もジム(スポーツセンター)、屋内プール(水泳場)、スパ、会議室、高級ラウンジなど多様に導入しなければなりません。当然ロビー、客室、レストランのインテリアレベルも高くなければなりませんね。
一方、ビジネス級に決めるなら客室サイズも20〜23㎡レベルで小さく作り、付帯施設も最小化します。インテリアも合理的な価格でシンプルにします。
次にホテルの規模です。
これは通常客室数で測るのですが、その理由は客室数が収容可能人数を意味し、これに合わせてレストラン、会議室など他の施設の規模が算出されるためです。このように規模とコンセプトが決定されれば、次に悩むことは何でしょうか? まさに**「どのように運営するか?」**です。つまり運営方式についての悩みですが、他の回でも話したように、ホテルビジネスは施設というハードウェアに劣らず、運営サービスというソフトウェアが非常に重要な事業です。
したがって、運営方式はホテル開発段階で決定しなければならない非常に重要な要因の一つです。運営方式は以下のように4つに区分できます。

委託運営方式 – W ホテル(出典:W ホテル ホームページ)
第一に、事業主であるホテルオーナーが直接ホテルを運営すること。(独立ホテル方式)
この方式はホテルオーナーが運営経験がある場合に可能でしょう。長所はホテルオーナーが自律的、独自にホテルを運営できる点と、専門業者に運営を任せた時に発生する手数料がない点です。
では短所は何があるでしょうか? やはりホテルオーナーの運営ノウハウとシステムがマリオット、ヒルトンなど大規模ホテルチェーンと比べて劣るという点です。
したがって、このような独立ホテル方式は 1. ホテル規模が小さい場合 または 2. 新羅、ロッテのように長年蓄積してきた運営ノウハウと安定したシステム、そして認知度の高いブランドを持っている場合に可能でしょう。

委託運営方式 – コートヤード・バイ・マリオット 南大門(出典:コートヤード 南大門 ホームページ)
第二に、ホテルオーナーが専門運営業者に運営を委託すること。(委託運営方式)
この方式は上述した独立ホテルと相反する概念として理解していただければと思います。最大の特徴は当然ながらオーナーがホテル経験が全くなくてもホテル事業ができるという点です。運営ノウハウと体系的なシステムを備えた専門運営業者を活用するため、独立ホテル方式より安定的に運営できます。しかし運営手数料が発生する点は看過できませんね。
注意すべき点は、運営業者が手数料を受け取るとはいえ運営を代行してくれる役務会社の地位に過ぎないため、結局運営に対する責任はホテルオーナーに回ってくるという点です。つまり運営業者がホテル実績を責任持ってくれるわけではなく、損失発生時にそのままオーナーの損失になります。
委託運営の事例はコートヤード 南大門(オーナー:KT&G、運営会社:マリオット)、ウォーカーヒル ホテル、W ホテル(オーナー:SK ネットワークス、運営会社:スターウッド)などがあります。運営会社は私たちが知っている有名ブランドの所有会社と見ていただければ良いのですが、ホテルブランドについては次回もっと詳しくお話しします。
第三に、オーナーが直接運営をしつつ、専門運営業者のブランドとシステムを利用する方式。(フランチャイズ方式)
オーナーがホテル運営ノウハウは保有しているが、顧客が信頼できるブランドを持っていない場合に導入する方式です。ホテルビジネスでもブランドの重要性は看過できません。特に海外訪問客を主なターゲットとするホテルの場合、世界的に認知度の高いブランドを導入することは非常に重要です。グローバルブランドを導入するなら該当本社の予約システムを使用でき(もちろん手数料は支払わなければなりませんが)、メンバーシップなど多様なプログラムを活用できるため集客に有利です。
しかし、オーナーの運営ノウハウがなければ成功可能性が小さく、委託運営方式より安価ですがフランチャイズに伴う手数料が発生する点も念頭に置かなければなりません。
フランチャイズの事例としてはアルペンシア インターコンチネンタルとホリデイ・インがあります。三成駅のコエックスにあるインターコンチネンタル ホテルもパルナス(GS建設子会社、ホテル運営業者)が運営し、IHG(インターコンチネンタル グループ)のブランドを適用したフランチャイズ方式の事例でした。

リファーラル方式 – ベスト ウエスタン ホテル
最後に、独立ホテルたちが組合を構成してブランドと運営システムを作り、これを共有する方式。(リファーラル方式)
最初に話した独立ホテルの限界を克服するための代案として見ることができますが、独立ホテルの短所である弱いブランド認知度と脆弱な運営システムを改善するため、ホテルオーナーたちが共同でブランドとシステムを作って一緒に使用するのです。独立ホテルとフランチャイズを混ぜたような方式ですね。
独立ホテルオーナーは組合に加入すれば該当組合のブランドとシステムを使用できます。米国で発達した方式で、ベスト ウエスタンが代表的な事例です。
以上でホテルの運営方式についての話を終わります。猛暑に健康に気をつけて、9月にお会いしましょう。
[連載目次]
2018.08 ホテルの運営方式
2018.09 ホテルブランドについて
2018.10 宿泊施設開発/運営成功事例(1)
2018.11 宿泊施設開発/運営成功事例(2)
2018.12 宿泊施設開発/運営成功事例(3)
2019.01 宿泊施設開発/運営成功事例(4)