訪韓外国人観光客2,000万人時代。私たちの宿泊施設は彼らにとって魅力的か?...
Weekly ON Vol.169
2026年08月04日
今週のWeekly ON
🏨 訪韓外国人観光客2,000万人時代。私たちの宿泊施設は彼らにとって魅力的か? 💡 ホテルの1歳誕生日祝い、「大型宴会」から「スモール・ラグジュアリー」へ再編
⌨️ #観光 #宿泊業 #ホテル #トレンド
🏠 業界トピック
訪韓外国人観光客2,000万人時代。私たちの宿泊施設は彼らにとって魅力的か?

訪韓外国人のリピート率が低下しています。訪問者数は増えているにもかかわらず、再訪する人は減っています。
2025年に韓国を訪れた外国人は過去最高の1,893万人に達しました。しかし同期間のリピート率は54.7%と、2019年を下回る水準に落ち込んでいます。訪問者の77%は依然としてソウルにのみ滞在しています。Kコンテンツに惹かれて韓国まで足を運んだゲストが、一度訪れただけで離れてしまっているということです。
日本の由布院は人口3万人の小さな温泉地です。その町は昨年、外国人観光客144万人を受け入れ、前年比40%増を記録しました。特別な観光資源があったわけではありません。その町の旅館は「部屋」を売らなかったのです。訪れた人が喜んでまた来たいと思える「何か」を売っていました。
私たちの宿泊施設は今、外国人に何を売っているでしょうか?英語版ウェブサイト、海外決済手段——それだけで十分なのでしょうか。由布院の旅館が売っていたもの、そして私たちの宿泊施設がそれに代わる素材をすでに持っているかどうか、本文でぜひご確認ください。
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💡 ホスピタリティ・トレンド
ホテルの1歳誕生日祝い、「大型宴会」から「スモール・ラグジュアリー」へ再編
トルジャンチ(1歳誕生日祝い)市場のパラダイムが変わっています。数十名のゲストを宴会場に招く従来のスタイルに代わり、近しい家族だけが集まり、独立した空間でプレミアムな体験を楽しむ「小規模高級化」トレンドが急速に広がっています。この変化は単なる流行ではなく、少子化・ゴールドキッズ・SNS文化が絡み合って生まれた構造的な転換です。宿泊・宴会施設を運営されるオーナーの皆様にとって、この流れは危機であると同時にチャンスでもあります。
主要データ
この変化を最も端的に示す数字が、ウォーカーヒル ホテルズ&リゾーツの実績です。ウォーカーヒルが運営する韓牛専門店「明月館」の今年上半期におけるトルジャンチ利用件数は、前年同期比30%増を記録しました。ウォーカーヒルは2024年、明月館の別棟内ダイニングルームを改装し、最大32名を収容できる独立空間「ヒョンダムルーム」を新設。この小規模プレミアム空間が需要を牽引しています。
このトレンドの背景には、二つの重要な消費現象があります。一つ目は、一人の子どもに消費を集中させる**「ゴールドキッズ」現象、二つ目は両親と両家の祖父母、親族まで子どものための支出に参加する「テンポケット(Ten Pocket)」文化**です。招待客数は減っても、一人当たりの支出単価はむしろ上昇するという構造です。イベントの規模は縮小する一方、食事・撮影・空間装飾・衣装など体験の質への投資は増加しているのが特徴です。
実際、韓屋(伝統家屋)でのトルジャンチ空間を提供する事業者も急増しています。ソウルの韓国の家・三清閣・メイフィールドホテル 鳳來軒、京畿道楊平のアデラ韓屋・板橋のアヨンダン、慶尚北道安東のクルメなどが家族行事の需要を取り込むべく施設を整備しており、韓屋空間の活用範囲は伝統婚礼・外国人観光体験から、トルジャンチ・顔合わせ・還暦祝いへと急速に拡大しています。
市場への影響
このトレンドが宿泊・宴会業界に与える影響は、大きく三つの方向性として現れています。
第一に、大型宴会需要の減少と小規模プレミアム需要増加による二極化です。 出生数の減少により、トルジャンチ市場全体のパイは縮小せざるを得ません。しかし業界関係者は「一人の子どもにかける費用は増大しており、大規模宴会の需要は減少する一方、小規模プレミアムイベント市場はむしろ細分化されていく」と分析しています。つまり、100名収容の宴会場一室よりも、30名規模の独立空間を複数持つ方が高い収益を生み出せる構造へと再編されつつあります。
第二に、空間そのものが「コンテンツ」になる時代です。 SNSでのシェア文化が定着したことで、顧客は今や会場選びの基準として収容人数・アクセス・価格よりも、外観・自然光・撮影背景・動線の独立性を優先するようになっています。一枚の写真で差別化できる空間が、そのままマーケティング資産になるのです。これはホテルウェディング市場においてハウスウェディング・屋外挙式・古民家ウェディングが台頭してきた流れとまったく同じ文脈です。
第三に、韓屋や高級独立空間を持つ中小宿泊施設にも新たな収益チャネルが開かれます。 これまで宿泊中心で運営してきた韓屋ゲストハウスや一棟貸しのペンションも、小規模家族行事市場に参入できる条件を備えています。ただし、天候・季節の影響、限られた収容人数、高い利用単価は克服すべき課題です。
対応策
このトレンドを実質的なビジネスチャンスに結びつけるために、オーナーの皆様には以下の三点をご検討されることをお勧めします。
空間の「フォトジェニック」要素を強化しましょう。 自然光が差し込む窓辺、庭園ビュー、伝統建築の意匠など、SNSで差別化できるポイントを発掘し、予約ページやInstagramで積極的に発信することが効果的です。
小規模向けパッケージ商品を別途設定しましょう。 10〜30名規模の独立空間貸し切りに、飲食・フォトゾーン・装飾サービスをセットにした「ファミリー・プレミアム・パッケージ」は、客単価を高めながら顧客満足度も向上させる有効な戦略です。
ウェディング・トルジャンチ専門のプランナーやフォトグラファーとの提携も検討してみましょう。 顧客が空間予約と同時に撮影・ケータリングをワンストップで手配できる環境を整えることで、競合施設との差別化はもちろん、リピーターの獲得や口コミ効果も期待できます。
出典: 韓国経済新聞 - にぎわっていたホテルのトルジャンチが変わる…今どきのおしゃれな親は「スモール・ラグジュアリー」
⌨️ キーワードニュース
1️⃣ ホテル新羅、売上減も営業利益が6倍に急増
一言まとめ: ホテル新羅が2026年第2四半期に売上減少にもかかわらず営業利益611億ウォンを計上し、前年比602%増を達成しました。
詳細説明: 仁川空港免税店の事業権一部返上により総売上は9,718億ウォンと5.2%減少しましたが、賃料負担の軽減と収益性重視の経営戦略が相まって、営業利益率は6.3%と5.5ポイント上昇しました。ホテル・レジャー部門も堅調な成長を示しました。ソウル新羅ホテルと済州新羅ホテルの売上がそれぞれ10%以上増加し、新羅ステイの売上も19.7%伸長しました。繁忙期の需要拡大と高い客室稼働率が業績を牽引したと分析されています。「規模より収益性」を選んだ戦略が成果を上げている以上、中小宿泊施設のオーナーも客室数や売上規模よりも収益構造の改善に注力する運営戦略を検討すべき時期に来ています。
2️⃣ クルーズで韓国を訪れる中国インセンティブツアー団、数千人規模に拡大
一言まとめ: 中国のインセンティブツアー団がクルーズを利用して済州・釜山・仁川を訪問するケースが増加しており、6〜7月だけで約7,000名が訪韓し、約25億ウォンを消費しました。
詳細説明: 今年に入り、中国企業のインセンティブツアー団がクルーズ船で韓国を訪れる動きが顕著になっています。5月に284名規模で始まった海路訪問は、7月には酒類メーカー所属の5,128名による大型入港へと発展し、急速に規模が拡大しています。日中外交摩擦により日本向け需要が韓国へシフトしていることも主要な背景として挙げられています。ただし、クルーズ観光団は寄港地での滞在が半日〜1日程度にとどまり、宿泊・食事は船内で完結するため、地域の宿泊施設への直接的な恩恵は限定的です。済州・釜山など寄港地近隣の宿泊施設であれば、団体連携ツアー商品や周辺観光地との協業を通じて滞在時間の延長を促す戦略を検討する価値があります。
3️⃣ 仁川市、国際テコンドー大会で滞在型観光を本格化
一言まとめ: 仁川市と仁川観光公社が「2026仁川松島国際テコンドー大会」を後援し、24カ国・2,500名規模の外国人訪問客を対象に滞在型観光の活性化に取り組みます。
詳細説明: 今月26日に仙鶴体育館で開催される本大会には、海外選手団500名を含む総勢2,500名余りが参加予定で、海外参加者数は前年比で大幅に増加しています。海外参加者は最短3泊4日から最長7泊8日間、仁川に滞在し、開港場・チャイナタウン・月尾島などの地域観光スポットを体験する予定です。仁川観光公社は宿泊情報の提供とシティツアー連携プログラムを通じて滞在時間の拡大を支援します。仁川地域の宿泊施設には外国人団体宿泊客の需要が集中する可能性があるため、多言語対応の案内資料の準備と団体予約の受付体制を事前に整えておくことをお勧めします。
4️⃣ 日本・マカオはカジノ複合リゾートを拡張、韓国は規制をめぐる対立が続く
一言まとめ: 東北アジアの観光競争が本格化する中、日本とマカオは大規模カジノ複合リゾートへの投資を加速させていますが、韓国は更新許可制・基金負担率引き上げをめぐる官民対立により足踏み状態が続いています。
詳細説明: 日本は大阪・夢洲に約13兆7,000億ウォン(約1兆4,000億円)を投じ、カジノ・ホテル・展示場・公演施設を備えた複合リゾートを建設中で、2030年の開業後は年間2,000万人の誘客を目標としています。マカオは6つのカジノ事業者から約21兆ウォン規模の投資を取り付け、ファミリー・文化・MICEなど非ゲーム観光需要も取り込みながら訪問客層を拡大しています。一方、韓国ではカジノ業界と政府間の規制をめぐる対立が続き、競争力強化に向けた議論が遅れている状況です。東北アジアの観光覇権争いが加速する中、外国人観光客の流入に依存する宿泊施設のオーナーは、近隣諸国の複合リゾート開業後における訪韓需要の変化に先手を打って備える必要があります。
5️⃣ カジノ基金をめぐる論争、観光業界vs文化体育観光部が真っ向対立
一言まとめ: 観光関連12団体がカジノ観光振興開発基金の負担率引き上げと更新許可制の撤回を求めたのに対し、文化体育観光部が同日即座に反論資料を発表し、対立が激化しています。
詳細説明: 韓国ホテル業協会、韓国旅行業協会など観光関連12団体は8月3日、共同声明を通じて、カジノ業の観光振興開発基金納付率の上限を現行10%から15%に引き上げる案と、5年単位の更新許可制導入は過剰規制であるとして撤回を求めました。業界は売上額基準の基金賦課方式が赤字事業者に過大な負担を強いると主張し、直近10年間で国内カジノ事業者の約半数が営業赤字であったことを根拠として挙げています。これに対し文化体育観光部は、売上額基準の賦課方式は米国・シンガポール・マカオなど主要国でも採用されている方式だと反論しました。今回の論争はカジノ業界にとどまらず、観光基金の財源構造と産業競争力全般に波及する様相を呈しています。宿泊施設のオーナーも、観光振興開発基金の政策変更が業界全体に与える影響を注視しておく必要があります。
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